ジョーカー・ゲーム第4話「魔都」雑感

恥ずかしながら、初回の視聴では全容が掴めなかったです。「よくわかんないから5点!」と自分の頭の悪さを作品のせいにしようかとも思いましたが、改めてもう一度じっくり見直してみたら、やっと内容が理解できました。意味がわかると、このエピソードの奥深さを知ることに。

上海派遣憲兵隊滬西(フーシー)地区分隊に配属された本間軍曹は、上官の及川大尉より憲兵隊内に潜む内通者の存在を調査する極秘任務を受ける。先日宮田憲兵伍長が何者かに暗殺された上に、及川の自宅も爆破テロによって全壊。早く内通者を暴き出さなければこれ以上の犠牲者が出かねない。事態は一刻を争う。

本間は新聞記者の塩塚朔(しおづかはじめ)から有力な情報を聞きつける。大学時代の同期である草薙行仁という男が、抗日テロに協力するために上海に潜入しており、殺された宮田とも密かに接触していたのだという。

その草薙を街中で偶然見かけた本間は、そのまま尾行して足取りを追っていく。行き着いた先は裏カジノ。手掛かりを求めて更に中を覗いてみると、そこには派手にギャンブルに興じている及川の姿が。この瞬間、本間は事件の真相の総てを察した。

事件は内通者を仄めかした及川の自作自演だった。及川は上海に赴任してから裏カジノにどっぷりとハマってしまい、その遊ぶ金欲しさとカジノで給仕する男娼への興味から、軍で押収したアヘンの横流しに手を染めるようになっていた。更にその秘密を突き止めようとしていた宮田を男娼に殺させ、男娼も口封じのために自宅の爆破に巻き込んで殺害した。何から何まで及川の犯行だったのでした。

ここまでの話なら、特にどうってことない話。犯人を見つけ出せと命じた奴が実は犯人で、壮大な自作自演だったというのはありがちな話。及川が少年趣味のホモだったというのは少々フックのかかっていた部分ですが、それもまぁ、ありがちっちゃありがちな話。

しかし、驚くべきはここから。及川の悪事に荷担していた部下の吉野が突如裏切り、犯行を自白した及川に向かって引き金を引き銃殺。何故殺したのかと本間は問い詰めると、「恋人の仇だ」と呟く吉野。ん、恋人って…? 一瞬誰のことかわからなかったですが、なんと及川が囲っていた男娼のことだったんですね! 「お前もホモだったんかい!」という衝撃のオチ(笑) 上海、それは男たちを男色に駆り立てる恐るべき魔都!!

そして、ここが一番の話の急所ですが、これら一連の事件にはD機関の福本が裏で暗躍していたということ。あらすじを説明してもスパイの「ス」の字も出てこないストーリーでしたが、実は情報を与えた新聞記者の塩塚こそが福本であり、本間を裏カジノへ誘引した草薙も福本の変装。一人二役を演じ、本間に及川を告発させるよう画策していたのです。結果、憲兵の面子を保たせ、上海での活動を軍に認めさせることに成功した。

スパイアクションは通常スパイが主役であり、スパイの八面六臂の大活躍を堪能するもの。それが今回の話ではスパイは中心的人物ではなく、脇役に徹してひっそりとスパイ活動に従事していた。こういうスパイの見せ方もあったのかと感心させられましたよ。むしろスパイの特性を考えると、主役ではない方が本当のスパイらしさだといえるかもしれませんね。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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