ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース第10話「皇帝(エンペラー)と吊られた男(ハングドマン)その1」雑感

ユーラシア大陸を横断する覚悟を決めたのか、承太郎らはシンガポールを北上してインド・カルカッタへと駒を進める。BRICsの一角として近年目覚ましい発展を遂げるインドも、当時はまだまだ未開の発展途上国。トイレの便器に豚がいるとか、俄に信じがたいエピソードもありましたが、これってリアルなんですかね~?

ポルナレフが洗面台で手洗いをしていると、鏡越しに不気味な男の影を発見。しかし、振り向いて肉眼で確認しようにも姿は見えない。鏡の反射でしか存在がわからないという恐るべきスタンド。シャワー中に忍び寄る脅威といい、意志を持った悪魔の人形といい、鏡に映り込む不気味な影といい、やけにホラーの定番シーンが続きますね。作者はこの頃、ホラー映画に傾倒していたのかな(笑)

不気味なスタンドに恐怖しながらも、探し求めていた妹の仇をようやく見つけたことで血気に逸るポルナレフ。自分1人で奴を仕留めに行くと言い放ちますが、無謀な単独行動は許さぬとアヴドゥルが必死に制止。しかし、彼はまったく聞く耳を持たず、半ばケンカ別れで袂を分かつことに。この時点で死亡フラグが立っていたのはポルナレフの方でしたが…。

足取りを追って懸命に聞き込みを続けていくうちに、J・ガイルの仲間であるホルホースという男と出くわした。西部劇のガンマンを連想させる風体の通り、リボルバー拳銃をスタンドとする彼は、一瞬の動作でポルナレフに向けて引き金を引く。

すかさずシルバーチャリオッツを召喚して弾き返そうと試みるが、ホルホースの放った銃弾はいやらしくも手前でぐにゃりと弾道を変えてきた。躱しきれないと諦めかけた瞬間、不意に現れたアヴドゥルが身を投げ出してポルナレフを救助! さすがアヴドゥルさん!! 弾丸の速度を超えて助けに来たアヴドゥルさんは、スタープラチナに匹敵するスピードなんじゃないかと一瞬思いましたけど、今そのツッコミは野暮なので黙っておく(黙ってない)。

諫言を無視して自分勝手な行動を取ったポルナレフなのに、それでも彼の身を案じていたアヴドゥルさんがいい人すぎる~! 例えケンカ別れしても、大事な仲間を見捨てておけぬと駆けつけてくれたアヴドゥルさんの優しさが大好きだわ。

危機一髪を回避して、ホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、自在に軌道を操れるホルホースの弾丸は、再びポルナレフとアヴドゥル目がけて襲いかかる。更に、弾丸に注意を向けている無防備な背中を、水たまりの中に潜んでいたJ・ガイルのスタンドが狙っていた! まったく予期せぬ方向からの奇襲に不覚を取ったアヴドゥルは、ホルホースの凶弾を眉間に食らってしまうことに…

大量の失血と共に地面に倒れ込み、ぴくりとも動かなくなるアヴドゥル。駆け寄る花京院が急いでその身を抱き起こし、必死にアヴドゥルの名を呼びかけるも応答はなし。

「くっ…バカな…! 簡単すぎるっ! あっけなさすぎる…!」

花京院の言葉が、私の心の内をそのまま代弁してくれました…。なんというあっけない最期なんでしょう。つい先刻まで、豪放磊落にインド文化の素晴らしさを語っていた心優しきアヴドゥルさんが、まさかこんなところでリタイアするなどとは露ほどにも考えていなかったです。第1部のツェペリの死でも語ったように、死というものはあっけないほど、突発的であるほど、不条理であるほど悲しみは深い…

「迷惑なんだよっ…! 自分の周りで死なれるのは!」
「すげぇ迷惑だぜ…! この俺はっっ!!」

ポルナレフの涙に思わず私ももらい泣き。頭の整理が付かないほどの急展開にかつてない衝撃が走りましたが、第3部屈指の愛すべきキャラだったアヴドゥルさんをここで殺してしまうのはどうなんだろう…? 正直言って、この先の冒険はかなりテンション下がりそうなんですけど…。ていうか、本当にマジでアヴドゥルさんここで終わりなの?? どうせまた全身機械化して「エジプトの医学薬学は世界一ぃぃぃ!!」とか叫びながら復活するんだよね? ねっ!?

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  1. ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース 第10話 『皇帝(エンペラー)と吊られた男(ハングドマン) その1』 インド良いとこ一度はおいで…?

    押し売りと物乞いの嵐だった。そしてあっという間に財布をスられた花京院。ラバーソールの化けたニセ花京院ならこんな事無かったろうに。アブドゥルがインドを「良い国」と言うの…

  1. 荒木飛呂彦氏はこの頃に限らず、常にホラー映画マニアです。
    集英社新書からホラー映画の解説本も出してますし、ホラー映画サスペンス映画から着想を得たと思しきネタがジョジョ以前の作品からずっと使われてますしね。バオーとかゴージャスアイリンとかBTとかで。

    アブドゥルの件に関しては、まぁ大丈夫ですよ多分。

    • 第3部に入りスタンドという新たな要素が加わり、常に敵の正体が謎めいている不気味さがある中で、ホラー映画を絡めてくるのは実にマッチしていると思います。今回の“鏡にしか映らないスタンド”というのも普通にびびりましたから。

      >アブドゥルの件に関しては、まぁ大丈夫
      ん~、あの状態でも生きているってことでしょうか。まぁ、詳しくは知らないまま次週以降を楽しみたいですね。

  2. 残念ながらアヴドゥルさんは…スタンドが強すぎたんだと思われます。
    炎を自在に操れるってよく考えるととんでもない能力なんですよね。
    なので荒木先生が動かし方に困ったのが原因だともっぱらの噂です。
    私もこのシーンを見た時は衝撃でした。死亡フラグというか、もしかしたら死ぬかも?みたいな前兆も前フリも一切無く、本当に突然でしたもんね。

    あと、荒木先生は「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」という本も出版されてるくらいホラー好きみたいです。
    ジョジョの作風もやっぱりその影響なんでしょうね~。

    • 強すぎたといっても、まだそんなにマジシャンズレッドの真価を目の当たりにしてはいないのですが…。ポルナレフ戦で活躍しただけですもん。本当に死ぬのが早すぎる! ドラゴンボール的な何かで生き返らせてあげて~。

      >もしかしたら死ぬかも?みたいな前兆も前フリも一切無く、本当に突然
      前振りなしの突発的な死という点が一番の衝撃でした。フィクションの多くは、どうしても死亡前に余計な演出を入れて盛り上げてしまいますからね…。臨終の間際に、長々と別れの言葉を喋ったり。

      >「荒木飛呂彦の奇妙なホラー映画論」という本も出版されてるくらいホラー好き
      なるほど。作者のホラー好きはファンの間では有名だったんですかね。

  3. 毎週ハイクオリティなアニメですが今回は特に素晴らしかったように感じました
    原作読んで展開知っているのに揺さぶられてしまう…

    ちなみにインドですが富裕層と貧困層で差が結構大きく
    ジョジョの描写は真実どころかまだ序の口のようです
    トイレは豚便所で検索検索ゥ!

    • 未だカースト制度が色濃く残るインドですから、都市部以外では現在もこのような光景が見られるのかもしれませんね。エジプトまでの道中、アジアの様々な国が同様に紹介されるのなら、今後も楽しみ。

      >トイレは豚便所で検索検索ゥ!
      ひいいぃぃぃぃ!! 本当に実在したんですか、これ。ていうか、日本にもあったのか! インド独自の文化というより、アジア圏の文化だったんですねぇ。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。