ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース エジプト編第35話「ダービー・ザ・ギャンブラー その2」雑感

承太郎VSダービーのポーカー対決は、互いにイカサマを仕掛け合う場外乱闘のような勝負が繰り広げられるかと思いきや、まさかこのような展開が見られようとは。前回、相手の裏の裏をかく瞬間が、ギャンブルにおいて何よりも痺れる瞬間だと(ギャンブルしたこともないくせに)語りましたが、承太郎はその快感に勝るとも劣らない方法で勝利を収めてくれました

それは“ブラフで相手を勝負から下ろしてしまう”というもの。これは少しでもギャンブル(漫画)をかじった人間なら、誰もが憧れる勝ち方ですよ!(笑) 自分の手札がぼろぼろであっても、如何にも大物手が入っているかのように装い、強気のレイズで相手にプレッシャーをかけて下ろしてしまう。自分より断然強い手札を持っていた相手が、プレッシャーに屈して敗北を認めてしまう瞬間は、ポーカーにおける最上級の快感!

麻雀でいえば、捨牌で国士無双を偽装したり、ノーテンリーチをかけて相手をベタ下りさせるのと同じ。これは私も真似したことがありますが、全然プレッシャーなんて与えられず、流局後普通にチョンボの点棒を支払わされましたからね! 誰にでもできるようで、素人には到底真似できない領域なのです!!

強運、技術以外に、ギャンブルで勝利するために必要な「精神力」という要素。運に見放され、イカサマを封じられても、常人離れした強靱な精神力さえあれば、虚を実だと押し通して勝利できるなんて最高にカッコイイじゃないですか。ただ、承太郎は単に怖い物知らずのハッタリだけで押し切ったというよりは、そこに緻密な計算も交えて勝つべくして勝った勝利だと言えます。最初から相手を下ろして勝つことを目的として、そのための布石を幾つも打っていましたからね~。

まず第一に、手札を一切見ないという選択。自分の手札がブタだとわかってしまえば、さすがの承太郎といえど動揺は隠せない。ブラフに込める真実味を薄れさせないためにも、彼は敢えて配られた手札をまったく確認しませんでした。

次に途中で突然タバコをふかしたり、ジュースを飲んだり、スタープラチナを使ったカードのすり替えを暗に示唆したレッドヘリング。警戒されている中で5枚同時のカードすり替えは通常不可能でありながら、ここで「もしかして」という疑念をダービーに植え付けることに成功します。

そして、最後の決め手となったのが、ダービーを命懸けのギャンブルへと引きずり込んだこと。負けてもポルナレフ・ジョセフの魂を解放するだけでは、ダービーはまったく痛みを伴わず、いくらでも強気の勝負ができる。しかし、「ディオの秘密を喋る」という条件を課せられ、己の破滅を賭けたギャンブルとなると、目の前の景色は瞬く間に一変することになる。

“ギャンブルの掛け金は相手が破滅する額まで引き上げる”という鉄則を、承太郎はしっかり弁えていたわけですね~。相手と対等な勝負をするためには、「負けたら破滅」という同じ土俵に立たせることが絶対条件。際限なくベットを引き上げた承太郎の行動は、一見無謀なようで実に理に適った作戦だったのです。……と、なんだか偉そうに語っていますけど、私の知識は全部福本伸行さんの漫画の受け売りですので(笑)

破滅を恐れぬ倍プッシュで勝負を挑んだ承太郎に対し、自分の破滅が賭かった途端にビビってしまい、最後は勝負から下りてしまったダービー。Kのフォアカードという絶対的な手札を持ちながら、「もしかして」が最後まで拭えず、彼はコールを口にすることができなかった。己の領分を遥かに超えたギャンブルとなると、99%が99%でなくなるという、そんなギャンブルの奥深さ。この“レートで殺す”展開は予測していなかっただけに、最高に熱く興奮させてくれたエピソードでしたよ!

「私は賭け事向きの性格をしていない。結構熱くなるタイプだからな…」
「勝負すれば私は負けるだろう。しかし、承太郎を信じている。この伏せてあるカードにどういう意味があるのかは知らないが、承太郎に賭けてくれと頼まれれば、信じて賭けよう。私の魂だろうとなんだろうと!」

ちゃんと自分の性格を把握しているアヴドゥルさんがカワイイ(笑) そして、自分の命運を承太郎に信じて託せる男気がカッコイイ! アヴドゥルさん大好き!

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース エジプト編 第35話 『ダービー・ザ・ギャンブラー その2』 黒い、承太郎の口が黒いよ!!

    タバコ咥えると黒くなります。激しい戦闘シーンこそ無いものの、息が詰まる頭脳戦だった今回。残念ながら画竜点睛を欠くシーンが有ります。承太郎の喫煙シーンで黒いマスクがかか…

  1. よかったぁ…(安堵)
    度々このダービー戦をプッシュしてきた身として、浅生さんに気に入っていただけるかどうかが凄く気になっていました。本当に良かった…。

    アニメ自体のクオリティも高かったですし、銀河万丈さんの熱演も良かったですね。思い出も含めて内海賢二さんのダービーの方にやっぱり軍配を上げたいですが、それでも勝るとも劣らない見事なダービーだったと思います。

    荒木先生でポーカー勝負といえば、初期に「武装ポーカー」という傑作短編が有りますが、こういった駆け引き勝負の妙味を描くことに関してはやはりさすがですね。

    • プッシュされたことでダービー戦は期待のハードルが上がりきった感がありましたが、それすら悠々と超えてくる素晴らしい回。戦いがスタンドバトルに移行して、単調な必殺技合戦ばかりが増えるのではと危惧していただけに、こんなポーカー対決が待ち受けていようとは想像だにしていませんでした。3部が始まる前に不安を抱えていた私に、心配しなくていいよといってあげたい(笑)

      >荒木先生でポーカー勝負といえば、初期に「武装ポーカー」という傑作短編が有ります
      このダービー戦は元々ずっと温めていたアイディアだったのかもですね。急にポーカーで戦う展開になっても、違和感なく馴染んでしまうジョジョの世界観が素晴らしい。

  2. この回は絶対に主さんが気に入ると思ったわ。実はこの回昔に出たOVAであるのですが、そこの出来も今回に負けずどころか今回以上の出来と言われるほどです。というか原作者が全面的に関わった力の入れようだったらしく、機会があればぜひ見てみてください。ちなみにダービーの声は内海賢二さんが担当しており、銀河さんに負けず劣らずの演技がみれますよ。
    今回の回で実はディオのスタンドの秘密になる複線が実はあるんです。最終回まで見てからもう一度ここを見返すと何故ダービーがあれほど振り回されたのかの理由もわかります。原作でも明言はされていないのであくまでも憶測になるのですが、「ああ、こういうことだからダービーが疑心暗鬼になったのか」ダービーがディオのスタンドの秘密を知っているが故の敗戦になった理由がわかります。

    • 完全に気に入りましたよ~。ギャンブル対決は最後の決着が肝でしたが、ここが完璧に仕上がっていたので、文句なしの満点エピソード!

      OVAの話題がちょくちょく出てくるのは、それだけOVAの出来が神懸かり的に良かったということでしょうか。今後見る機会があるかというとさすがに微妙ですが、内海賢二さん演じるダービーがどのような味を出していたのか、すごく気になります。最初に銀河万丈さんの熱演を先に見てしまった以上、やっぱり自分は“銀河万丈派”になってしまいそうですが~。

      >ダービーがディオのスタンドの秘密を知っているが故の敗戦になった
      ダービーがディオに殺される恐ろしさで勝負を下りたものと私は思い込んでいましたが、別のファクターが絡んでいたということですかね。恐がり方が尋常じゃなかったのもそれが理由なのかな。

  3. 私も福本作品に影響されしたことあります。ノーテンリーチ……。大失敗で、大顰蹙でしたが(笑)難しいんですよね。イカサマもポーカーフェイスも。

    管理人さんならきっと気に入る勝負だと思いました。内容もスタープラチナのとんでも能力で何とかするのではなく、承太郎の度胸とハッタリでしたが、それでもそれが成功したのは「スタープラチナなら、もしかして……」と思わせる描写。すなわち第三部の題材である『スタンド』も間接的に描かれた名勝負だったと思います。

    ギャンブルって麻雀しかしませんが、仲間内の遊びでも、熱くなってしまう場合があります。冷静に自分を見つめることが出来るブ男……もとい!男の鑑であるアヴドゥルさんのようになりたいですね。

    • ノーテンリーチは憧れますよね(笑) 浦辺の豪腕麻雀を真似して仕掛けてみましたが、特に何事もなく淡々と局が進み、流局になってしまったときの恥ずかしさときたら! もう二度とやりません!!

      スタンドをイカサマ防止&脅しの道具として使い、ちゃんとジョジョ的要素を加味した、ジョジョでしか実現し得ないギャンブル対決になっていたのも良かったです。スタンドの存在がゲームの根底をぶち壊していたかというと、全然そんなこともなかったですし。

      >冷静に自分を見つめることが出来るブ男……もとい!男の鑑であるアヴドゥルさん
      本当に熱くなってしまう人は、自分が熱くなっていることにも気付かないものですが、アヴドゥルさんはちゃんと自分が激情家である自覚を持っているところが素敵。でも、表情でバレバレなアヴドゥルさんのポーカーもちょっと見てみたかった(笑)

  4. 心理戦に疎い私には、なぜ勝負を下りたのかよくわかりませんでしたが、
    解説(レビュー)を読んでやっと理解できました。ありがとうございます。

    こうして見ると、承太郎は玄人に勝つために工夫を凝らしてたんですねぇ。
    昔はダービー弟戦(違う種類のイカサマで挑む)のほうが好きでしたけど
    意味がわかるとダービー兄戦も名勝負だと感じます。

    アブドゥルさんが「今週の渋谷凛」と同じ位置にいて
    笑えると同時にちょっと嬉しくなりました。いい人ですよね!
    「承太郎を信じている」で思わず泣きそうになりました。
    涙を誘うシーンじゃないのに、崇高な覚悟に感動してしまう……。

    • 通常、フォアカードが手札にあって下りることなんて考えられないですが、ここに命がかかるとなると容易にコールはできないものです。押したら1%の確率で自分が死ぬボタンなんて、誰だって怖くて押せませんからね~。ダービーに疑心暗鬼を植え付け、その1%の確率を10%にも20%にもイメージを増大させた承太郎の駆け引きもすごかった。

      >「承太郎を信じている」で思わず泣きそうになりました
      わかりますよ! 躊躇なく自分の命を仲間に託すことができるその信頼・絆。しかも、アヴドゥルは承太郎の策略を一切教えられていないのに。押し寄せる不安を振り切って、承太郎の勝利に自分の命を全額ベットしたアヴドゥルも、また一流のギャンブラーです。

  5. 一級のイカサマ師であるダービーに対して、おそらくポーカーは素人であろう承太郎。無理に相手の土俵で張り合うのではなく、自分にできることを冷静に行ったという感じですね。相手を挑発したり混乱させたりするのはジョセフの得意とするところですが、今回のようなプレッシャーのかけ方、ビビらせ方は承太郎ならではだと思いました。賭けるのか賭けないのかと迫るところなんてヤクザ顔負け…とても17歳には見えません(笑)

    >ちゃんと自分の性格を把握しているアヴドゥルさんがカワイイ(笑)
    炎のスタンドはアヴドゥルさんの激情的な精神を表しているんでしょうかね~。しかし改めて考えると5人全員に可愛いところがあるような…。みんなごつい漢なのに(笑)

    • イカサマの技量ではダービーの方が恐らく上手。承太郎はその事実を認めた上で、別ルートでの勝利を模索し、ブラフで相手を下ろす算段に至ったのでしょうね。相当な胆力が要求される命を削ったブラフは、まさに承太郎にしかできないことですし、自分の土俵に引き込んでの勝利は実に見事でした。テクニック自慢は、得てしてフィジカルを活かした単純なパワーに粉砕されるもの。

      >5人全員に可愛いところがある
      承太郎ですら可愛げがありますから(笑) 日常回を設けて普段と別な一面を見せるわけでもなく、ひっきりなしに続くバトルの中で自然とキャラクターの側面を見せられるのはすごいことです。