ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース エジプト編第26話「「愚者」のイギーと「ゲブ神」のンドゥール その2」雑感

遠方から鋭敏に音を聞き分けるンドゥールの優れた聴覚。下手に動いて音を発すれば、たちまちスタンドの餌食になってしまう命懸けのだるまさんが転んだ状態。腕飾りを足音に見立てたアヴドゥルの偽装もあっけなく看破され、洞察力にまで長けたンドゥールは紛れもなく強敵。


アヴドゥルがやられたのを見て、承太郎は捕捉されるのを覚悟の上で砂漠を駆ける。それは自暴自棄になったゆえの行動ではなく、飛行することが可能なイギーのスタンド能力を利用し、空中から音を立てずにンドゥールを襲撃するという算段。

頼りの足音が聞こえなくなったンドゥールは焦りを憶えますが、重さに耐えきれずグライダーのように高度を下げていくイギーのスタンドに承太郎も焦り。仕方なく、承太郎は一度地面を思い切り蹴りつけて再浮上。ここで一旦地面に足をつけるのはやむを得ない判断だったとはいえ、「オラァ!!」って大声出したのはダメでしょ(笑)

再度天高く舞い上がると、上空から遂にンドゥールの姿を発見。これで承太郎の勝利確定かと思いきや、ンドゥールのスタンドは上空に砂を巻き上げ、対象物との反射音でその位置を正確に聞き分けた! 潜水艦のソナーと同じ原理で承太郎の居場所を特定したこの秀逸なアイディアには感嘆させられましたね! 自分の位置を探られたくない承太郎と、執拗にその位置を捉えようとするンドゥールの高度な頭脳戦。こういうのゾクゾクします!!

ンドゥールの機知によって、一転承太郎はピンチに追い込まれますが、今度は承太郎がンドゥールめがけてイギーを投げつけるという常識破りの離れ業。「なんて奴だ…! 犬を投げるなんて!」とンドゥールは激しく動揺していましたが、仰る通りですよ! 犬を投げるなんて、少年漫画の主人公がやることじゃありませんっ!(笑)

投擲されたイギーへの防御に気を取られた一瞬の間に、またも承太郎の居場所を見失ってしまう。耳を澄ませて、再び承太郎の現在地を探り当てようとするンドゥール。しかし、彼は自分の背後が日陰となっていたことで察する。既に承太郎が自分のすぐそばにまで迫り寄っていたことを…

「そうか…。そこまで近付いていたとは…」
「もしこの水のスタンドを自分のところまで戻して周囲をガードしていなかったなら、既に背後からお前に倒されていたということか…」

ほんの一瞬の隙を突いてンドゥールの背後を取った承太郎、それに気付いた瞬間のンドゥールの諦観。ここのやりとりもめちゃくちゃ痺れました。2人とも本当にカッコイイ!!

そして、ンドゥールが手持ちの杖を地面に倒した瞬間、西部劇のガンマンのように、お互いがスタンドの早撃ち。機先を制したのは承太郎。スタープラチナはンドゥールの胸部にクリーンヒットし、ンドゥールのスタンドは承太郎の頭をかすめて逸れる。最後まで息を呑むようなスリリングなバトルに、興奮の絶頂でしたよ~。

「死ぬのは怖くない。しかし、あの人に見捨てられ、殺されるのだけは嫌だ…!」
「悪には、悪の救世主が必要なんだよ…」

このンドゥール戦、第3部ジョジョの中でもベストバウトというべき名勝負だったと思います。明晰な頭脳と誇り高き忠誠心を持つンドゥールは、敵ながら天晴れな男でした。死後、承太郎がわざわざ埋葬して弔い、敬意を表していたのも納得ですね。エジプト9栄神というのはさすがに数が多すぎると思いましたが、これほど痺れるバトルがあと8度も楽しめるなら大歓迎です!

反発していた承太郎とイギーがお互いわかり合えたかと思わせつつ、拾ってきた帽子にガムが仕込まれていたオチも良し(笑) 最後まで綺麗にまとまった優良エピソードでしたけど、最初に殺されたスピードワゴン財団の人の口の中に小魚が紛れていたことは謎が残る…

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8 Responses so far.

  1. イノウエ より:

    >>小魚
    これを言うのはナンセンスかなぁ、とは思うのですが、それでもあえて言うなら「考えるな、感じろ」というやつですね。(笑)
    ジョジョは「敵のスタンド攻撃が始まって異常事態が起きている状態」と「実際の敵スタンド能力」が乖離している状況がままありますので、まあ深くは考えないほうがいいかな、と。とにかく「なにかがヤバイ!」っていうドドドドドドっとした演出なわけです。
    今回の小魚は、無理矢理に理屈づけるなら「ンドゥールが承太郎達をビビらせて冷静な判断能力を殺ぐ」ためにわざと小細工をしている可能性もなくはない……ですが、荒木先生は恐らくそういうことは考えていないかと。良くも悪くも「勢い任せ」なところがありますので。

    • 口の中いっぱいに詰まっていた水。口から飛び出る小魚。息苦しくて指で掻きむしったあと。最初の被害者は、どう見ても“海に引きずり込まれて溺死”したはずなんですが、実際のンドゥールの手口は、水は使用しているものの、顔面を貫く物理的な攻撃。謎は深まるばかりですよ!!

      >良くも悪くも「勢い任せ」なところがあります
      ジョジョは、戦法に関しては非常によく練られていて、よくそんなの思いつくなと思うほどアイディア豊富だったりしますが、こういう細かな設定部分では堂々と矛盾を残したまま、スルーされることが多いですね(笑) 枝葉末節に気を取られすぎて、ストーリーの勢いを殺してしまうぐらいなら、こっちの方が全然いいんですけど。

  2. ゲスト より:

    >第3部ジョジョの中でもベストバウトというべき名勝負だったと思います。
    同感です。スタンド以上に本体の強さが印象的で、新たな段階に進んだという感じがします。ンドゥール戦はファンの間でも人気の高いバトルですが、負けず劣らず評価の高いバトルがまだ残っているので今後が楽しみ。

    >小魚が紛れていたことは謎が残る…
    最初の演出が後に明かされた能力と一部繋がらず、謎が残ってしまうのはジョジョではよくあることですね(笑)荒木先生は基本的にその週をいかに盛り上げるかを考え、その先はあまり考えてないそうです。そのためか敵を強くしすぎて倒すのに困ることもあるとか。

    • 前半部分の「その1」ではそれほど面白くなりそうな予感がしなかったエピソードですけど、まさかこんなに面白い展開が待っていようとは。イギーを大活躍させるための噛ませ犬(犬は逆ですが)的存在だと思っていたンドゥールも、屈指の良キャラだったのは驚きました。エジプト編一発目から、いいものが見れましたよ。

      >荒木先生は基本的にその週をいかに盛り上げるかを考え、その先はあまり考えてない
      主題となる部分は、ちゃんと整合性を保ってほしいと考えますが、そうでない細かな部分はインパクト重視のために矛盾が生まれても問題ないと思います。

      あとになって変に矛盾点を言い訳し始めたり、強引に辻褄合わせしようと必死だったりするよりは、「矛盾などなかった」と豪快にスルーしてもらった方が視聴者としてもツッコミどころができて逆に楽しめるというもの。

  3. ゲスト より:

    今回の話もですが、個人的には3部の後半は前半よりかなり面白いですね!
    前半は荒木先生もスタンドバトルという新しいモノを書き慣れていない感じで、少しダレる展開もあったと思っています。
    後半からは2部のような「ジョジョらしい」バトルが増えていく感じですよ!

    • スタンドバトルのイメージが変わってきた実感は私にもありますね。初期は必殺技的な側面が強かったスタンドが、今やすっかり道具的な扱いに変わってきましたから。スタンドの特性を活かして、如何に戦いを有利に運べるか、そういった部分に重きが置かれるようになったと思います。

      勿論、私としてはそういった戦いの方を歓迎。スタンド同士が勝手にケンカするだけの代理戦争は望んでいません。

  4. ヒンメル より:

    ンドゥール戦も素晴らしいですが、この後には多くのジョジョファンが名勝負の一つに挙げるダービー戦も控えてますし、楽しみな闘いが目白押しですよ。内海賢二さんが亡くなった今、だれがダービーの声を当てるのかも注目しています。
    私はイギーVSペット・ショップなんかも好きだなぁ。

    次回のオインゴボインゴは箸休め、かなw

    • 第3部後半戦、いきなりピークがやってきたかと思いましたが、この先もまだまだ負けず劣らずの名勝負が待っていると思うと楽しみですね~。ダービーの名前はしっかり憶えておこう。

      ペット・ショップの話はオフ会のときにもちらっと出ていたなぁ。何で犬とペット屋さんが戦うのかと最初意味がわかりませんでした(笑)

      >次回のオインゴボインゴは箸休め
      一品目の前菜が運ばれてきたばかりなのに、もう箸休めですか! まだめっちゃ食欲あるんですけど~!