ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第37話「クレイジー・D(ダイヤモンド)は砕けない その1」雑感

吉良殺害をしくじり、露伴死亡時刻まで残り1分を切った。もはや吉良の勝利は99.9%確定している絶望的状況下で、早人は「モーニングコールをかけて仗助を起こす」というたった1つの冴えた仕掛けで奇跡を起こす! それはアーロン・ロジャースが投げるヘイルメアリーパスのように、ひっくり返るはずのない局面を一瞬にしてひっくり返したアメージングな逆転劇!!

36話を見直してみたら、確かに仗助は寝坊して待ち合わせに遅刻したと言っていましたね。記憶の片隅にも残らないような些細なセリフが伏線になっていたなんて。寝坊して遅れてきた仗助を、時間通りに現場に来させることで、吉良吉影が自分の名前を口走った瞬間に立ち会わせる。こうして早人を経由することなく、仗助を吉良の正体に辿り着かせることになろうとは…。

川尻浩作という男が本当に吉良吉影なのか、確認する暇もなく、いきなり全力でぶっ倒したのも何気にファインプレイでした(笑) クレイジー・ダイヤモンドの攻撃を防ぐため、バイツァ・ダストを解除してキラー・クイーンを呼び戻さざるを得なかった吉良。もしここで少しでも時間を掛けていたら露伴はタイムリミットで死んでいましたから。「人違いでもクレイジー・ダイヤモンドで治療できる」という道理があったとはいえ、躊躇いなしに人をぶっ飛ばせる仗助の剛胆さがあってこそですよ。

バイツァ・ダストが解除されたことで、無事死の宣告から解き放たれた露伴。世界線変動率(ダイバージェンス)1%の壁を越え、β世界線に到達できた喜び! こいつはグレートですよ!(最近この決め台詞使わなくなったね)

起死回生したのは、自分の名前を不用意にベラベラ語った吉良の致命的うっかりが原因なので、筋書き通りというよりはたまたまラッキーに恵まれただけにすぎません。それでも「その場に仗助を立ち会わせることでなにかが変わる」と読んだ早人の計算勝ち。些細な事象の変化が大きな運命の変化に繋がるバタフライエフェクトを直感し、そこに「賭けた」早人がもたらした奇跡ですね~。

冒頭では興奮のあまり「アメージングな逆転劇!!」と述べましたが、バイツァ・ダストを解除させたといっても吉良を倒せたわけではなく。ここからが本当の雌雄を決する戦いで、オーバータイム(延長戦)に突入したような格好。同じロジャースのヘイルメアリーパスでも、カージナルス戦で見せた二度目のヘイルメアリーパスの方がシチュエーション的に近いかな。この試合は、結局同点に追いついただけで、最終的にはロジャース率いるパッカーズが負けちゃったんですけど…。

「目に見えない空気と、防げない爆発…! この世にこれほど相性のいいものがあるだろうか! このために育てていたなんて!」

ストレイ・キャットから放たれる空気弾に、自身の能力である爆発を融合させた吉良の攻撃。HUNTER×HUNTERの念能力みたいな発想で、ただでさえ強力な爆破能力が飛び道具となって更に凶悪化。まともに食らった億泰は身体を吹き飛ばされ虫の息に…。重篤な億泰を一刻も早く治療しようと仗助が駆けつけるも、億泰に触れようとした瞬間ぴたりと手が止まる。触れるに触れられない事情、それは吉良が億泰に爆弾を仕掛けているかもしれないという可能性

深手を負ってもたちまち回復してしまえるクレイジー・ダイヤモンドは大変便利な能力ですが、触れたものを爆弾に変えられる吉良の能力とは相性が悪いんですねぇ。逆に吉良としても、キラー・クイーンの凄まじい破壊力は、クレイジー・ダイヤモンドの前で無力化してしまうので、仗助は目の上のたんこぶ。互いの武器を打ち消しあう2人が、導かれるように相見えたのは、最初から定められた運命だったのかも。

どちらも動くに動けない膠着状態は、億泰が死にかけていて時間を浪費できない仗助の方に不利。焦れた仗助が、爆死する可能性も覚悟の上で億泰の身体に触れようとしたとき、「触っちゃあダメな証拠がある!!」と早人が叫び、すんでのところで仗助を思い留まらせる

「あいつはきっと1発ずつしか爆弾を作動できないんだ!」
「一度爆弾の能力を使ったら、それが爆発し終わらなくては、次の爆弾は撃てないんだ!」
「その証拠に何発も撃てばいいのに、一発ずつしか撃ってきてない! 億泰さんが爆弾に変わってるから、撃てないんだ!」

理路整然と吉良の能力を読み解く小学生の頭脳。スタンドが目視できない彼は、スタンドの意味すらよくわかっていないはずなのに、ズバズバとキラー・クイーンの本質を見抜いてしまうのだから天才すぎます(笑) その上で、億泰の身体に手を伸ばし、自分が代わりに爆撃を受けようとする死をも厭わない胆力! いくらクレイジー・ダイヤモンドで復活させてもらえると信じていたって、そんな簡単に爆弾に突っ込まないでくださいよ! この子、すごすぎてちょっと引く(笑)

早人のおかげで、なんとか億泰に仕掛けられた罠の除去に成功し、クレイジー・ダイヤモンドでの回復に漕ぎ着けることができました。が、身体が修復されても依然意識を取り戻せていないのが気掛かり。何度呼びかけても応答がない億泰は、まさか本当に死……? えぇっ? 嘘でしょ…?? ジョジョって、死んだ事実が受け止められないほど、あっさり仲間が死んでいくから怖い。億泰は死んでいないと思っていますけど……ら、来週が不安すぎるぅ!

「ジョー・モンタナの投げるタッチダウンパスのように、確実に奴の鼻先に突っ込み、その位置で点火してやるッ!」

吉良吉影さんがNFLに精通されておられたことが嬉しくて、つい今回の感想はNFL成分多めに(笑)

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. ジョー・モンタナの名前が出てきたから、やっぱり
    スポーツ通の浅生さんは反応すると思ってましたw
    でもジョー・モンタナのTDパスはジェリー・ライスもいないと
    成立しない気もしてしまいますねw

    さて、ジョジョ第四部最終決戦ですが、はっきり言って
    仗助一人だったら完全に砕かれてた(それくらい吉良の隠し球が強かった)
    ところを、早人というはっきり言って天才+豪胆小学生がいたから
    状況好転するという展開には原作でも熱くなりました。
    杜王町自体が主人公と言われる第四部ですが、正直早人こそ
    もう一人の主人公だよなあと思ってしまいます。

    全く無関係の二人が吉良で結ばれて共闘するってのも
    なかなかお目にかかれないシチュエーションで、なにもかもが最高です。
    ただ、あと2話で終わっちゃうんですよね…

    • ジョー・モンタナのタッチダウンパスで鼻先に突っ込むって、冷静に考えるとよくわからない例え(笑) でも、このとき指で距離感計っていた吉良の仕草がめちゃくちゃ格好良かった。作画も気合い入っていましたし。

      >天才+豪胆小学生がいたから状況好転するという展開には原作でも熱くなりました
      繰り返しになりますが、早人はスタンド能力を持っていないところがいい! キラー・クイーンを討ち破る都合の良いスタンド能力が目覚めて解決するのではなくて、あくまで自分の頭脳と度胸だけで切り抜けてしまうのですから、そこに惚れ惚れしますよ! 非能力者が能力者に勝つってシチュエーションがたまらなく好きです。

      >杜王町自体が主人公と言われる第四部ですが、正直早人こそもう一人の主人公
      吉良吉影が川尻浩作になりすましたときは、夫婦関係にばかり気を取られていて、早人は「なんか薄気味悪い子供がいるなぁー」ぐらいの感覚で、まったく注目していなかったんですけどね。「しのぶさんの愛が吉良を改心させるに違いない!」とキーパーソン扱いしていたのに、まさか重要なのは子供の方だったとは(笑)

  2. 地味に吉良はその前のループでも自分の正体を早人にしゃべってるんですよね。
    個人的には早人はそのことも計算に入れてたのかな?と思います
    天才小学生ならそれくらいできてもおかしくない(笑)

    あと、勝ちを確信したら自分の正体をペラペラしゃべりだす吉良の性格が最初から一貫してるのも好きです

    • あれ? 吉良吉影が自分の名前を語ったのは37話が初めてじゃなかったですか? 一応、前回のも確認していましたが、名前は口にしていなかったですし。

      まぁ、吉良は脇が甘いところがありますから、何かしらのきっかけでぼろを出すだろうという読みはあったかもしれませんね。早人が誘導尋問したでもなく、勝手にベラベラ本名を喋り始めた吉良は、ホント脇のセキュリティががばがばすぎますよ~。

    • 一応補足しとくと、35話の登校中(通勤中)に名前を言ってますね。そこで早人は吉良の名前を初めて知りました。だから、ヘブンズドアで顔をめくられたときに「パパの名前はキラ・ヨシカゲだ」って書いてあったんですね。
      つまり、37話で登校中(通勤中)に本名を名乗る事は運命だったんです。

    • はい、確認してみたら思いっきり言っていました…。変な言いがかりでごめんなさい。

      往来でも平気で自分の名前を口走っちゃう迂闊さが吉良にあることを知った上で、仗助を早めに呼んでそこに居合わせてもらおうという判断があったのかもしれませんね。もし私が早人だったら、露伴も仗助も承太郎も億泰も康一も全員救えず全滅していましたよ…。

  3. 無敵のバイツァ・ダストを突破する原因が吉良のうっかりって部分はちょっと締まらない感はありますが、早人の言う通りただの偶然じゃなく、早人の賭けの勝利ですね。
    仗助の「寝坊した」セリフもですが、早人が間違い電話を受けた後に何故か受話器を戻さず、小さく呼び出し音が聞こえていたりと伏線はあったんですよね実は。
    うまいなーと思うのは、これがもし最初からこれだけを狙った計画だったらご都合主義過ぎ!と突っ込むところですが、あくまで本命はストレイ・キャットだったものの、僅かな可能性でも打てる手は全て打った結果上手くいったということなら納得できるところ。

    >この子、すごすぎてちょっと引く
    精神的超人揃いのジョジョのなかでもぶっ飛んだ強さですよね(笑)
    早人が居なければ既に2回は全滅してますし。

    >吉良吉影が自分の名前を語ったのは37話が初めて
    35話だったかな?バイツァ・ダスト最初の朝の出社&登校中に早人に名乗ってますね。この記憶があったからそれを利用しようと思ったのかもですね〜。

    • 1つの穴を掘って、相手が落ちてくれるのを待つのは運任せすぎますが、複数の穴を掘って、どれか1つにでも落ちてくれればいいという考えは立派な戦略。吉良殺害という一大決心をしたら、それだけで頭いっぱいになってしまいそうなものなのに、万が一に備えて別の手も打っておく周到さには、お見それしましたと平伏すしかありません。

      なんにせよ、追い詰められた早人に「バイツァ・ダストを解除する能力」を持つ身も蓋もないスタンドが目覚めなくて本当に良かった(笑) 土壇場で能力に目覚めるっていうのは、やはり禁じ手ですよ。こうやって、自らの知恵を使って窮地を切り抜けてくれると、ものすごく気持ちがいいですね。新しいパンツを穿いたばかりの正月元旦の朝のように。

      >バイツァ・ダスト最初の朝の出社&登校中に早人に名乗ってます
      あ、本当だ。確認したら確かに口にしていましたね。こういうところをちゃんと記憶できていない私は川尻早人にはなれないなぁ(笑)

      つまり、早人は吉良がうっかり口を滑らせることもちゃんと計算に入っていたってことですか。ますます早人の有能さに唸らされるばかり。

  4. あれだけ大声で叫んでるのに承太郎たちが気づかなかったり
    早人が木っ端微塵になりすぎて、どう見ても即死から復活してたり
    おや?と思うことはあったけど早人の頭脳と度胸がすごかったので満足です。

    • この回、唯一のガッカリは承太郎さんの空耳ですね(笑) 仗助の悲鳴を風の音と勘違いするなんて、いつもの察しの良い承太郎らしからぬ愚鈍さ!

      まぁ、もし承太郎が異変に気付いて仗助の元に駆けつけて、吉良との戦いに加わっちゃうと、仗助より承太郎の方が活躍しちゃいそうなので、それを避けるための判断だったのかな…。ちゃっかり最後の美味しいところを持っていきそうな予感もしますが。