ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第34話「7月15日(木) その4」雑感

自律思考型の意志を持つスタンドを好まない私としては、チープ・トリックの話は興味低めだったんですが、“背中を見られてはいけない”という条件に右往左往する露伴の愉快な一面は普通に楽しかったです。特に横断歩道を渡るとき、通行人の背中にぴったり張り付いて移動していた間抜けな姿には爆笑しました。

チープ・トリックが言いがかりをつけて通行人に振り返らせようと仕掛けるが、露伴はヘブンズ・ドアーを使って後ろを振り向かせないよう命令済み。横断歩道を渡るという日常の風景に、これほど高度な知能バトルが溶け込んでいるのがバカバカしくって最高ですね~。通りすがりの通行人にとっては、訳のわからない戦いに巻き込まれていい迷惑ですが(笑)

犬猫に襲われる最大のピンチは、康一の助けによって乗り切る。一度は露伴のイタズラだと疑って相手にしなかった康一なのに、露伴の窮状を気に掛けてこっそり様子を伺ってくれていたという彼ならではの思慮深さ。康一君の“鈍感じゃない”ところは、本当に素敵だと思います。

しかし、康一が来てくれたところで、チープ・トリックを背中から取り外せない状況は依然続く。むりやり剥がそうとすると取り憑かれた本人までダメージを受けてしまうのがチープ・トリックの厄介さ。エコーズAct3のスリーフリーズを使った力業では露伴本体も同時に死ぬため、結局康一の助力では根本的解決には至らなかった。

そこで露伴は、杉本鈴美がいたコンビニ横の路地裏までチープ・トリックを誘導。“絶対に振り向いてはいけない小道”で、奴が露伴から康一に乗り換えようとした瞬間、禁忌に触れたチープ・トリックは“絶対に振り向いてはいけない小道”の潜む怪異に捕らえられ、そのままいずこかへと連れ去られて行く

過去、自分たちが苦しんだ曰く付きの場所を逆利用し、チープ・トリック除去に繋げたアイディアは賢かったですが、この小道で起きている怪奇現象は何事かまだはっきり解明されていない状態なので、正直かなり一か八か感のある解決方法だったように思います。霊に連れ去られたからといって、それで露伴が死なない保証は何もなかったですし、思い通りに行かずにあっさり死んでいても文句の言えない荒い作戦だったかな~と。

ところ変わって、会社から帰宅中の吉良さん。電車内で一悶着あったカップルに腹を立てたのか、帰り道を尾行して自宅マンションにまで押し入ると、無言のまま彼氏を一瞬で爆殺。まさか「リア充爆発しろ」を20世紀のうちに会得していたとは…! 吉良吉影、恐ろしい男…!!

怯える彼女には、自分の爪を切ってくれとフェチプレイを要求。彼女は言いつけ通り綺麗に爪を切ってあげたみたいですが、結局片手だけを残して木っ端微塵させられて哀れ。久々に大好物の女の手をゲットできてご機嫌の吉良さん。が、その一部始終をよりによって息子の早人にばっちりビデオ撮影されていたという致命的うっかり。この人、登場以来毎回正体バレそうなピンチに陥っているんですけど、よく15年間も警察の捜査から逃れ続けてこられましたね…(笑)

吉良は自分の正体に気付いているのか探りを入れるべく、早人が入浴中の風呂に乱入。表面的には仲の良い親子を演じながら、水面下でお互いを激しく牽制しあっている殺伐とした親子団欒(笑) なんて緊迫感溢れるお風呂タイムなんですか! 嫌すぎる!

明らかに挙動不審な早人の素振りに疑心が確信に変わった吉良は、早人の髪の毛に爆弾を仕掛けて、躊躇なく殺害準備に入る。ところが、身の危険を感じていた早人は既に先手を打っており、風呂場の出来事を監視カメラで撮影していた。更にこれまで撮影した吉良の奇行も証拠としてビデオテープに録画保存しており、こうなっては迂闊に早人を殺すことはできない。相手の出方を伺いながら、如何に相手を追い詰めるかを探り合う両者の攻防戦が実に面白い! でもとりあえず、お前らいったん服を着ろと(笑)

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  1. チープトリックの倒し方は個人的には大好きです。もっと物理的に取り除くかと思ってたので過去のギミックを忘れたころに持ってくるのに感心しました。感想でおっしゃるとおりにやったことないで上手くいくかは分かんないですけどね…振り返ったものの魂を連れ去るって説明ですけど何度もトライアンドエラーできる現象じゃないですし…
    まあそこはどの手段だろうとチープトリックの限界がよくわかんないので、やってみるまではわかんないってことで(笑)スタンドバトルって初見だととにかく色々やってみるしかないですしね
    最後に「地獄へ行く」ってさらっと書き足すところが好き

    マンションでの吉良のやりとりは作者節が短いやり取りの間に炸裂しててすごく印象に残ってます。質問を質問で返すなと激昂するところとか、彼氏の耳をイヤリングにするところとか…とくに切断された手に対して「しゃべらない君は実にかわいいよ」って囁くところなんて強烈でした。猫草回で人間らしさが見えて親しみがわいたと思ったら、またシリアルキラー全開なんですもの(笑)

    • 自分が一度引っかかったり、騙されたりしたことって、今度は同じ手口で他人に仕掛けたくなる気持ちがあると思います。チープ・トリックを“絶対に振り向いてはいけない小道”に誘導したときの高揚感は、恐らくそれと同種の快感だったんだろうなぁ~と。露伴の思惑が読めた瞬間、ものすごくワクワクしましたから。

      >どの手段だろうとチープトリックの限界がよくわかんないので、やってみるまではわかんない
      今回の作戦に説得力を持たせるなら、「チープ・トリックに対して物理的な力が加わったとき、宿主にダメージが跳ね返る」という発動条件を最初にそれとなくアピールできていたらよかったですね。それならば、物理以外の力でチープ・トリックを取り除く方法として、今回の作戦が思いついても不思議じゃなかったですから。まぁ、そこまで理詰めにする必要もありませんけど。

      >猫草回で人間らしさが見えて親しみがわいたと思ったら、またシリアルキラー全開
      吉良はやっぱり極悪人で鬼畜で最低な奴なんだと再認識させる上でも、この一連のやりとりは必要だったんでしょう。私自身、しのぶさんとのラブコメのせいで、段々吉良に肩入れしつつあったので(笑) 

      >「しゃべらない君は実にかわいいよ」って囁くところなんて強烈
      私は「私は別に怒っているわけではないよ。趣味なんだ。持って生まれた趣味なんで、前向きに行動してるだけなんだよ。前向きにね」というセリフが刺さりました。感情ではなく、趣味嗜好で人を殺せる人間の恐ろしさが演出されていました。

  2. 風呂場のシーンの緊迫感がすごく良かったです。
    スタンド能力のない子供が文字通り丸裸で、逃げ場の無い浴室でラスボスと対峙する危機を機転で乗り越える様子はドキドキしました。
    しかし吉良はホント毎度毎度追い詰められ過ぎ(笑)

    >正直かなり一か八か感のある解決方法
    これは私も思いました。そのまま背中剥がされて心中になってても全然おかしくないですよね。
    ただこのアイディア自体はなるほどその手があったかと膝を打つ思いですごく好きです。
    他に解決方法も思い付かないので一か八かでも結局やらざるを得なさそうですしね。

    • 緊迫感溢れる戦いを演じているけど、二人とも素っ裸という状況がシュール。毎回ピンチの連続の吉良ですが、中学生(しげちー)、動物(猫草)、小学生(早人)といった弱い相手に苦戦しているところも気になる(笑) そのラスボスらしからぬ親近感が、応援したくなる心理に。

      >このアイディア自体はなるほどその手があったかと膝を打つ思いですごく好き
      ただの伏線ではなく、一度回収した伏線のリサイクルですから、かなり高度なギミックだったと思いますねー。杉本鈴美の話のときにはもう、後の伏線としてまた使うつもりで考えていたのかな? というか、この霊障の正体は何なのか、ちゃんと話の中で明らかにしてくれるんでしょうね?(笑)

  3. そういえば「質問を質問で返す」ことにキレるシーンは今回が初だったような。
    この吉良に限らず、後の部でも質問を質問で返す行為については「会話の通じないアホ」と罵ったりと、
    荒木先生はこういうのが余程大嫌いな事なんじゃないかと邪推します(笑)

    • 思いっきり自分のことを棚に上げているものの、吉良は結構モラリストですよね。社会の迷惑者に対する義憤が強い。だから、こんなキャラでも共感を憶える点が多々あると思うんですけど。常識的でありつつ非常識であるところが、彼のただならぬ魅力。作者の代弁者でもあるのかなぁ?

  4. ハイウェイスターの時に仗助が「火事」の逆恨みだと思って、露伴を信じなかった時は納得できたんですが
    今回の康一くんは露伴のことを疑いすぎじゃないかと疑問に思いました。
    みんなが必死で吉良吉影を探している時に、敵スタンドから攻撃を受けているなんて悪質な嘘をつく?
    いくら露伴でも、そこまで人でなし扱いするのは康一くんの性格的に無理があるかと。
    敵スタンドを油断させるために信じないフリをして別れたとか
    承太郎に連絡する為に信じないフリをして別れたとかならわかるんですが。

    • 康一君にすら信用してもらえないほど、普段の露伴は悪質な嘘をつき、信用がないのだと私は受け取っていましたが、「敵スタンドを警戒させないために信じないフリをしていた」という展開だったら、もう一歩康一君の有能さが演出できていましたね。

      「助けてくれ」というメッセージを発せない康一君のピンチを敏感に読み切った億泰が、いったん帰ると見せかけて助けにやって来たように。奇しくもこれは、露伴が敵だったときのエピソードでしたが。

  5. 当然ですが、早人は、仗助たちの存在を知りません。つまり、たった一人でラスボスに立ち向かっていくしかないのです。彼の孤独な戦いは、タフで知的で勇気があり、自分にとっても忘れることのできないものになりました。

    • 無力な子供の立場としては、普通の父親に刃向かうのだってハードルが高いのに、殺人鬼で尚且つスタンド能力持ちの吉良吉影と差しで戦わなくてはならないのは、本当に厳しいですね…。

      せめて早人にもスタンドの力が目覚めなければ、とてもじゃないけど1人じゃどうしようもない。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。