ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第33話「7月15日(木) その3」雑感

仗助が開こうとする紙片から危険な匂いを嗅ぎ取りながら、噴上裕也はビビって何も言い出せない。てっきりここで男気を見せて仗助のピンチを未然に防いでくれるものと期待していただけに、このヘタレっぷりには失望しましたよ! 何という情けない男だ! 役立たずめ!

紙片からおもむろに(誤用)飛び出てきたのはピストル。至近距離からの銃撃を喰らった仗助は、クレイジー・ダイヤモンドの超反応でなんとか難を逃れたものの、その後康一を人質に取った宮本輝之助の狡猾な手口によって苦しめられる。

「ひょっとしたら康一かもしれないと思ったら、万が一でも…! 康一だっつー可能性が1%でもあるのなら、助けにいかねぇわけにはいかねぇだろ!!」

恐怖のサインを見せてしまったがゆえに、エニグマの力で紙片の中へと引きずり込まれていく仗助。その間も、噴上は助けようとする素振りすら見せず、ただ呆然と傍観者を決め込むだけ…。しかし、輝之助がタクシーで立ち去ろうとするその瞬間、ようやく彼の中の男気が奮い立ち、囚われた仗助と康一の救出しようとハイウェイ・スターで追跡開始! 噴上裕也はやるときはやってくれる男だと、私はずっと疑わずに信じていましたよ!

「これがもし…、紙にされたのがもし! バカだけどよぉ…、俺をいつも元気づけてくれるあの女どもだったらと思うと、あの女どもの誰かだったらと思うと! テメェ!! 俺だってそうしたぜッ!!」
「テメェや吉良吉影をこの街で生かしておくのは格好悪いことだぜ! 寄越せ、康一をッ!」

彼が土壇場で勇気を振り絞れたのは、仗助が康一のために命を張った姿を目の当たりにして、自分1人がビビっちゃ格好つかないと覚悟を決めたからなんでしょうね。自分だって大切な女のためなら同じように命を張れるんだという、伊達男のプライドが最終的に彼を突き動かしたのでしょう。

ハーレムを謳歌する男って、基本受け身でヘタレな奴ばかりだから嫌いなのですが、噴上は取り巻きの女子から愛を享受するだけでなく、自分からも愛を注ぎ、守ってやりたいという気概を持っているから許せる。某ランス様のように、人並み以上の甲斐性を持つ男にこそ、ハーレムを形成する資格はあるってもんですよ~。

紙片の中に炎・電流・サソリ・硫酸といった危険物を包み込めるエニグマの能力(炎とか電流に恐怖のサインはあるの?)は、罠を仕掛けるにはうってつけ。なまじ鼻が利く噴上はそれが罠だと気付いていながらも、一刻も早く仗助と康一を助け出すために次々と開封。トラップの数々を根性で耐え抜きましたが、最後に現れたのはまさかのシュレッダー。仗助&康一が封じられた紙の自動裁断が始まりヤバイ!

「フンッ、簡単? だからこそいいんだぜ! 瞬間的に紙にしてくれるからこそ! いいんだぜッ!!」
「俺の負けだ。マジでビビったよ。だが、喜んで敗北するよ。ぺらっぺらの紙になったんで、シュレッダーの中に手を突っ込められたからなぁ!!」

シュレッダーの刃で無残に切り刻まれそうなところを、噴上は敢えて自身がエニグマに紙化させられることで、シュレッダー内部の隙間に手を差し込み、仗助&康一を引っ張り上げることに成功した! 己の犠牲を厭わず、相手の能力を逆手に取った素晴らしい機転! と褒め称えたいのは山々なんですが、仗助らをシュレッダーから引きずり出すのに苦慮したのは、シュレッダーの隙間に手が入らなかったからではなく、シュレッダーの裁断が始まって紙を引っ張り出せなくなったからじゃなかったの??

このシーン、4回リピートして一生懸命理解しようと努力しましたけど、噴上が紙になったおかげで2人を助け出せたっていう理屈が、私の頭ではどうにも理解できない…。自分が紙になったことで、紙の中に閉じ込められている仗助&康一に直接干渉して引っ張り出せたってことかなぁ? すっきりしないまま(笑)

ま、そこは深く追求せずとも、噴上裕也の格好良さは充分堪能させてもらいました。女子3人からキャーキャー慕われているのも納得の男前。最初登場したときは、調子乗りすぎてオラオラされるだけの小物キャラだったのに、こんなにも魅力あるキャラクターに成長するなんて。そういう意味では、今回調子乗りすぎてオラオラされるだけの小物キャラだった宮本輝之助も、後々カッコイイ見せ場があるのかもね!?

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. エニグマの少年、結果的にはそこまで被害を出していないのに本と同化って、かなり厳しい罰ですよね。アンジェロと同レベル。
    荒木先生の基準では「人質を取って脅す」とか「人が怖がるのを見て楽しむ」というのは相当許し難い罪なんですかねー。
    (余談ですがアニメでは7月15日というサブタイトルで纏められていますが、原作では同時進行ではなくこれまで同様の個別エピソードで、それぞれ「鉄塔に住もう」「エニグマの少年」「ぼくのパパはパパじゃない」「チープ・トリック」のサブタイトルで、宮本輝之輔という名前は当時はついておらず本名不明だった為、基本的には読者の間では「エニグマの少年」で通っています)
    噴上は予想できててもやっぱり格好良かった。
    「内心の恐怖を抑えて男を見せる」というシチュエーションは鉄板ですね〜。

    >仗助らをシュレッダーから引きずり出すのに苦慮したのは
    見直してみたら確かにわかりづらいかもですね。
    原作だと「紙がシュレッダーにほとんど取り込まれて、なんとか指先でつまめるくらいしか露出していなかった(のでツルツル滑る)」のが理由だったんですが、アニメだと結構がっつり掴めそうですね(笑)

    • 結果的に大きな被害こそなかったものの、この少年は短絡的で愉快犯的な側面があり、遊び半分で複数の人間を殺しかねない度し難い部分があったので、これぐらいの罰は相当であったように感じましたね~。

      >宮本輝之輔という名前は当時はついておらず本名不明だった為、基本的には読者の間では「エニグマの少年」で通っています
      そうだったんですか。確かに宮本輝之輔という名前は誰も作中で口にしていませんでしたね。私もアイキャッチで初めて名前を知りましたが、あまり外見と似つかわしくない名前なのでしっくりきていないです。というかこいつ、日本人だったのか(笑)

      >「内心の恐怖を抑えて男を見せる」というシチュエーションは鉄板
      まさに。ちょっと三枚目のキャラクターが、こういう場面で格好良さを見せるの大好きです。

      >なんとか指先でつまめるくらいしか露出していなかった
      ああ、そういうことですか~。アニメの描写がちょっと正確ではなかったんですね。どっちにしろ、一度シュレッダーに引っかかった紙を引っ張り出すのはほぼ不可能と思いますが(笑) 私も間違えて、慌てて引っ張り出そうとしたことありますけど。

  2. >炎とか電流に恐怖のサインはあるの?
    無生物はサイン関係なく自由に紙に収納できますよ、重さ関係なくいろいろ持ち歩けるので人間が取り込めなくてもこれだけでいろいろ使えそうな能力です

    仗助が救出されてからの台詞は氷のような殺意を感じて少し怖かったですね、普段そんなこといいそうにないキャラクターが殺意を醸すと悪役が「殺す」と言うのとはぜんぜん違う印象を受けます。アンジェロに不注意で祖父を殺されてるので無関係な身内への攻撃は逆鱗に触れる行為だったのかもしれませんね

    • 無生物はサイン不必要って情報、作中で出てきましたっけ? もし私が聞き逃していただけならごめんなさい。エニグマの能力は、戦いに関係なく、日常的に超便利そうな能力ですよね。ほとんど四次元ポケットみたいなものなんで。

      >普段そんなこといいそうにないキャラクターが殺意を醸す
      三部と違って、四部は生き死にの要素が薄いだけに、仗助の「殺す」という直接的なワードは私も印象的でした。やはり康一君のみならず、母親を手に掛けたのが逆鱗に触れた大きな原因だったのでしょうね。結果的には、いつも通りのオラオラで許してあげたのは優しさであり、甘さかな(笑) 吉良との決着はどうなるんだろう~。

  3. これまでジョジョに登場したキャラクターはどれも一癖も二癖もあって、どれも魅力的で大好きでしたが、
    個人的にはこの宮本輝之輔というキャラは全ての部を通してもトップクラスで大嫌いなキャラですね。
    その理由として、彼には「自分が悪い事をしているという自覚がまるで無い」ところが根底にあるからです。
    結果的に彼は誰も殺害してはいませんが、それでも自分の好奇心を満たすためだけに朋子さんや康一君やタクシードライバーを脅して拉致していますからね。
    無自覚に悪事を働くところが非常に嫌悪を感じるのです。
    この「悪事を働いている自覚」という点に関しては、小悪党の代表格である間田やシリアルキラーの吉良や、4部最大の外道であるアンジェロですら持っていたと思います。
    (間田は「自分は街から追い出したかっただけ」と必死に言い訳し、吉良は人を殺す事の邪悪さを客観的に理解しているし、アンジェロも人を殺すのに大義名分を用意している)
    こういったいわゆる、超正統派(?)なサイコパスであるキャラは今までにいそうで意外といなかったもんです。
    だからこそ悪役として申し分無いキャラではあるんですがw

    • わかります。悪事に無自覚な人間に対する嫌悪感って特別強いですよね。罪の重さでいえば吉良の方がダントツ上ですけど、吉良にはシンパシーを感じて、輝之輔にはシンパシーをまるで感じない。ただひたすら軽蔑すべき小悪党でしたよ~。

      ただ、私も宮本輝之輔は嫌いなキャラクターではありますが、こういったタイプの悪も描けるバリエーションの広さは作品として好き。悪とは言い切れない奴から、クズの小悪党、ガチの外道まで。いろんなタイプの敵が出てくるからジョジョは面白いです。

      それに彼はまだ子供みたいなので、その辺分別がつかなかったことに情状酌量の余地があるかな? 若気の至りでは許されないレベルですが、しっかり反省して真人間になってもらえれば。

  4. 噴上裕也かっこいいですよね。要約すると「主人公の言動に心を打たれて、倒した敵が仲間になる」というジャンプ漫画でよくあるパターンなのですが、こういう魂のこもった本気のセリフがあると説得力が違います。

    そして、こうやってまわりのみんなを動かす仗助もすてき。仗助の魅力があらわれた素敵なお話でした。

    • 噴上は治療を条件に手を貸しただけで、命を賭けて仗助を助ける義理もない。それなのに、最後は男気を見せて輝之輔との戦いに挑んだのが感動でした。

      せっかくいいキャラなんですが、惜しむらくは登場が遅かったところ。鼻が利くところや、追跡に便利なハイウェイ・スターの能力は、味方として役に立つ場面は多かったでしょうに。もっと活躍が見たかったです。

  5. もっと物語序盤で噴上裕也が登場してたら、ポルナレフ枠に入れたかもと思うぐらいカッコ良かった。
    女子3人も隠れた男気に気づいて惚れたのかな。

    • 物語序盤に噴上を出して欲しかったのは同意なんですが、一方で億泰とちょっとキャラや立ち位置が被っていると感じる部分もあります。噴上と億泰が共に序盤に登場していたら、お互いのキャラの食い合いになった恐れもありますから、やはり噴上の登場はこのタイミングがベストだったのかも…?