ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第26話「ジャンケン小僧がやって来る!」雑感

ジャンケンに勝つことで相手からスタンドを奪うことができる少年。なんか日本人っぽくなかったり、頬に穴が空いていたり、いろいろと聞きたいことがある謎多き人物ですが、とりあえず彼は何故こんなにもオバサン声なの? 明らかに浮いていますよね。だみ声で語尾を伸ばす喋り方は、往年の藤子不二雄アニメに出てくるキャラのような古めかしさがあり、漂う昭和感が尋常じゃない。

しつこくジャンケンしようと絡んでくる少年の性格自体も鬱陶しく、なかなかにストレスフル。更に今週は作画の崩れが許容範囲を超えていました。露伴の顔なんか適当すぎて、見ていて気持ちが不安定になってくるほど。彼がメインの回に限って作画が怪しい気がするので、もはや露伴のベースとなる顔がわからなくなってくる…。声優+作画がノイズになりすぎて、まともにストーリーに集中できる環境じゃなかったです。

低いテンションが上昇カーブを描き始めたのは、露伴がジャンケンに負け、自身のスタンドを少年に吸い取られてしまった辺りから。5回勝負のジャンケンで、3回負けてしまうとスタンドが消失。この時点で露伴は3戦して2勝1敗でしたが、一度負けたことで「ヘブンズ・ドアー」の3分の1が奪われてしまうことに。スタンドを取り返すには、何が何でもあと1勝して勝利を確定させなくてはならない。やる気のなかった露伴が真剣にジャンケンに向き合い始めたことで、ようやく今回の醍醐味が見えてきましたよ。

勝負というのは、どんなに稚拙でくだらない遊戯であったとしても、当人に「絶対負けられない」という必死ささえ出てくれば、否が応でも白熱してくるもの。負けたときの代償の大きさを知ることで、子供の戯れだと思っていたただのジャンケンが、次第に真剣勝負として熱を帯び始めてくるから面白くて。

続く第4戦を落とし、とうとう2勝2敗のタイにまで押し返された露伴。互いにあとのない状況となった最終第5戦では、高度な心理戦の様相を呈し、強い精神力が試される極限の戦いに。少年が「2連敗で露伴は今下り坂にいる」と流れを強調してプレッシャーを掛けてきたかと思えば、対する露伴は「2連続グーで負けたから次はグーを出さない」と揺さぶりを掛ける。この勝負、運否天賦じゃない。勝つのは知略走り他人出し抜ける者! この辺は完全にカイジっぽいノリでしたね~(笑)

いつのまにかジャンケンも普通に出すだけではなく、空高く飛翔して、必殺技を繰り出すような大袈裟なモーションから繰り出されるようになったのも最高。全身全霊でぶつかり合う魂のジャンケン対決に興奮! 何これ、めちゃくちゃ面白いじゃないですか!

でもね、話が振り出しに戻るんですが、今回の作画レベルでは迫力不足だったと言わざるを得ないんですよ…。これだけ“無駄な気合”で繰り広げられるジャンケンであれば、それに見合った“無駄な気合”の作画があって初めてジャンケン如きに必死になる面白さが引き出されたと思うんです。それが今回のような質の低い作画ではとてもとても…。

坂本ですが?というアニメでも、主人公と不良が手押し相撲で戦う回(第5話)がありました。やっていることはものすごくバカバカしい戦いなのに、派手なアクションにエフェクトを効かせまくって、大袈裟なBGM&SEで本気のバトルアニメのような盛大な演出。単なる手押し相撲にこれだけ全力の作画と演出を持ってくるからこそ、そこにギャグとしての面白さと、真剣勝負に引き込まれる熱を感じられたんです。ジョジョもそうであってほしかった。

原作読んでいない私でも、今回は原作の持ち味が出ていない回だったと直感で理解できます。イカサマで強引に少年が出したチョキをグーに変えた露伴の卑怯なオチも面白かったですし、ちゃんとした作りならもっと見どころの多い回だった思えるだけに心残り。

「むっ!? あの子供……!? 多分あれは……!」
「彼のファンのようじゃのう」

さすがジョセフ! 一目で少年の異質なオーラを感じ取り、その正体を看破した! 老いてもその類い希な洞察力は尚健在! と思わせての耄碌!(笑) 最近、在りし日の自分に戻りつつあると思っていましたが、まだまだ勘は取り戻せていないようで。

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  1. 今回の話は、原作ファンとしては、かなり秀逸な回だっただけに、作画の出来とかは残念だったと言わざるを得ません。

    小僧(大柳賢)の声も、もっと少年っぽい声でも良いかなと思いましたが、あのウザさを表現するには、あの声でもよかったのかな?とか思えたり。

    細かいところを言うと、ガラスのシャワーの辺りも、小僧が無傷なのに対し、露伴は傷を負っている。つまり運が小僧のほうに向いていると言う解説があったのですが、初見の方にはピンと来ないかもしれませんしね。(まぁ、強調されてたから分かるか・・・)

    ネタバレになるので言いませんが、次の話も話自体は物凄く好きなので、是非手を抜いて欲しくないところです。まぁ毎回全力投球でとまで言わないまでも、要点は抑えて欲しいですね。

    • ダービー・ザ・ギャンブラーでもそうだったように、ジョジョの作者はギャンブル勝負を描くのがすごく上手な気がします。元々のバトルも駆け引き要素が強いので、そういうのが得意なんでしょうけど、勝負の渦中にいる人間の心理描写や、決着に至るトリック(イカサマ)まで、どれも見事なものです。

      >小僧(大柳賢)の声も、もっと少年っぽい声でも良いかなと思いました
      う~ん、後半になると、最初の一声ほど違和感はなくなってきましたが…。

      ついでにジャンケン小僧の名前、大柳賢ってのもしっくりこない違和感がありますね。なんか個性派俳優っぽい名前で(笑)

      >(ガラスのシャワー)運が小僧のほうに向いていると言う解説があった
      私は初見ですが、そこはちゃんと伝わってきましたよ。自分の強運をアピールするために、意味もなく身体を張るのはギャンブル系の作品では割と見かけるシーンですね。

      >次の話も話自体は物凄く好き
      ぼくは宇宙人…? また予想もつかないような話がやってきましたね。ギャグ回なんでしょうか? 楽しみにしたいです。

  2. >声優+作画がノイズになりすぎ
    >“無駄な気合”の作画があって初めてジャンケン如きに必死になる面白さが引き出された
    完全にこれに集約されますね。
    今回の話は演出や作画次第で傑作回にも駄作回にもなり得ると思っていましたが、完全に後者でした。

    >空高く飛翔して、必殺技を繰り出すような大袈裟なモーション
    この演出最高ですよね。迫力と格好良さがありつつもギャグ的でもあり。
    ただジャンケンをするだけなのに空を飛ばそうという常識に囚われない発想が荒木先生だなあと感じます。

    • 第四部はキャラデザの時点で「大丈夫か?」という不安がありましたが、今のところその不安が的中したカタチに。ストーリーは三部に負けないぐらい面白いだけに、ヴィジュアル面でケチが付いちゃうのはもったいないなぁ。

      でも、ジョジョ実写化というニュースが飛び込んできた今、“アニメはまだマシ”という評価になりそうですね(笑) このジャンケン小僧の回なんて実写でやったらすごい寒そう。

      びっくりしたのは、東方仗助役の俳優が山崎賢人さんだったこと! 最近の漫画原作ドラマの主人公、全部この人じゃないですか! 剛力彩芽すら霞むほどにゴリ押されているな!!

      DEATH NOTEのL、オオカミ少女と黒王子の佐田恭也、一週間フレンズ。の長谷祐樹、ジョジョの奇妙な冒険の東方仗助…。これらを同一人物が演じている時点でもう何かが狂っています。

  3. 原作既読組です、私も浅生さんの書かれた通りの感想でした
    ジャンケンを介した真剣なバトル感が伝わってこないんです
    いつか原作を当たってみて欲しいですね

    それはさておき、ジャンケン小僧に植物図鑑の本を横取りされて
    小学生相手でも躊躇なくグーパンする露伴先生には思わず吹き出してしまいました

    • 作画と演出センス次第で善し悪しが大きく左右されるであろう回で、よりによって過去最低クラスの作画を引いてしまったのが運の尽き。ここ最近、「原作を見てほしい」と言われる回が続きますね…。

      >小学生相手でも躊躇なくグーパンする露伴先生には思わず吹き出してしまいました
      確かにイラッとさせられるキャラではありましたが、子供相手にグーで顔面殴るなんて実に大人げない(笑) 今だったら大問題ですよ。いや、当時でもか。

  4. 作画の乱れはたしかに気になりますね、連続3クールってことで疲弊してるのかもしれませんし毎回本気で仕上げろとはいいませんが、今回は許容ラインを下回ってました

    話は変わりますが、露伴の陰湿さは妙な爽快感すら感じます。陰湿さと爽快感って相反する性質だと思うんですけど、本人が完全に開き直ってるのせいかな?気持ちのいい陰湿さというか変な爽やかさを感じる。友人にはあまりなりたくない性格ですけどね(笑)

    • 第三部のように、途中で休憩入れた方が良かったですかね。3クール目を吉良吉影編として独立させてよかったかも。佳境に入ってきたであろうこのタイミングで、作画が下降線を辿るのは辛い。

      >露伴の陰湿さは妙な爽快感すら感じます
      影でこそこそと悪意ある行動を働きながら、表面ではその素振りを見せないのが陰湿(陰険)ですから、露伴は陰湿であるかというと少し言葉が違うかもしれませんね。自身の性格の悪さを明け透けに他人にぶつけてくる明朗な嫌な奴です(笑)

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。