ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第18話「重ちーの収穫(ハーヴェスト) その1」雑感

自分たちが住むこの杜王町を蝕んでいた病理。異常犯罪者吉良の存在が明らかとなり、いよいよ巨悪との本格的なバトル展開が始まる気運が高まってきたとテンションが上がる中、まさかここにきてジョジョ史上最低ともいえるゲスいバトルが始まろうとは!! 前回見せた鈴美の無念の涙を返してください!(笑)

街中に落ちている小銭を群体型スタンド「ハーヴェスト」を使って拾い集め、自分の小遣いに変えている“重ちー”こと矢安宮重清(やんぐうしげきよ)。平安貴族を思わせる高貴な名前とは裏腹に、バカ丸出しの醜い風体と幼稚な精神性。でもどこか愛らしさもあるという独特な存在感を持つキャラです。

小銭を必死に掻き集める重ちーのせこさはひどかったですが、そんな彼を利用した更なる金儲けを企て、友達のフリしてすり寄ろうとした仗助と億泰のゲスさも相当ひどい(笑) でも、ここで仗助も一緒になって(仗助自らが率先して)儲け話に身を乗り出してきたことは、実はすごく重要なポイントだったと思います。

億泰のような三枚目キャラが友人としている場合、何かバカな真似を始めるのはいつもその悪友の役目で、主人公は「やめとけよ、くだらねぇ」と自分が一段高い場所にいる気になりながら、内心で友達を見下している鬱陶しい奴になりがち。そうやって友達より自分が優位に立たないと自我が保てないダサイ主人公が、私は大・大・大嫌いでした。

仗助「重ちーに少しずつ、大人の契約ってものを教えていくんだ」
億泰「けっ! テメーの銭儲けのためにか? きっひっひ。でもオメーのそういうとこが好きよ」

だからこそ、こういう友達と同じ目線でバカをやれる関係性は、見ていてすごく気持ちがいい! 悪巧みしながら、意気投合していく仗助と億泰の仲の良さはホント最高。これに比べたら、友達と優劣をつけたがる友情がどれほどくだらないことか。大体、そんなの友達じゃないし!

ヤンキーらしからぬ優しさと正義感を持つ仗助は、その優等生っぷりが長所である反面、若干のキャラの弱さを感じる部分がありました。それが今回見せたゲスい一面が親しみやすい人間味となって、よりキャラに奥行きが出てきたと思います。間違いなく、私の仗助の好感度は1ランク上がりましたよ。欲望で緩みきった仗助の顔は面白くってしょうがない(笑)

重清に小銭ではなく、捨ててある補助券や引換券を集めさせた仗助は、キャッシュバックによる現金化で見事に61,500円もの大金を手に入れた。当初の約束では、これを重清と折半するはずでしたが、大金を手にして急に金に目が眩んだ重清は、突然約束を反故。仗助らに1万円しか与えないというドケチっぷりを見せる。

当然納得のいかない仗助と億泰でしたが、ここは大人としてグッと我慢して、怒りの矛を収めた。しかし、集めた補助券の中に紛れていた1枚の宝くじが、500万円の当選を果たしていたと発覚したことから、更に事態は混迷を極めることに。その当選金の配分を巡って仁義なき戦いが勃発しそうな、不穏な空気を残したまま終了。数々の修羅場が繰り広げられてきたジョジョの中でも、こんなにも緊張感が走ったシーンは記憶にありませんね!(笑)

余談


現在放送中のNHK大河ドラマ「真田丸」。その27話「不信」では、真田家の長男信之と次男信繁(幸村)が従五位下(じゅごいのげ)を叙任されるシーンがありました。本来、この官位は弟信繁のみに与えられるはずでしたが、兄を差し置いて自分だけが官位を拝するわけにはいかないと、兄にも同じ官位を授けてもらえるよう取りはからってもらったもの。しかし、弟のお情けで官位を拝したことを知った信之はそれを屈辱と感じ、こんな官位は今すぐ返上したいとへそを曲げてしまったのです。

そんな信之に対して、父昌幸が発した「もらえるものは病気以外もらっておけばいいんだ!」という一喝。この名言は実に印象的で爆笑したんですが、まさかこれもジョジョが元ネタだったなんて!! 27話が放送されたのはつい先日のことだっただけに、タイミング的にも神懸かっていました。そういや、真田丸は億泰本人(高木渉)が出演していましたっけ(笑)

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  1. 友情(笑)が、友情(笑)を引き裂く!
    仗助たちは基本善人だが、ときにこういう庶民的で生活臭のあるところを見せてくれるのが等身大の高校生していますよね。

    • 感想でも書きましたが、億泰と重ちーと一緒のレベルになってお金に執心していたのがよかったですよ。ここで一人真面目ぶって、自分はお金なんかに興味ないという素振りを見せられたら逆に白けます。途中敵意を剥き出しのケンカに発展しつつも、最後はまた重ちーと和解できて良かった。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。