ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第15話「漫画家のうちへ遊びに行こう その2」雑感

白紙の原稿に下描きなしで直接Gペン殴り描き。複雑な構図のイラストを流れるようにすらすら描き上げると、インクの固まりを飛ばして一瞬でベタ塗り、複数のペンを握って一気に集中線と、仕上げも完璧。超絶クォリティの漫画原稿が瞬く間に完成していく。その岸辺露伴の神業の一部始終を驚きを交えながら実況していた康一君は、完全にオタ視点だったのが笑えます。最初「漫画読むの好き?」って聞かれたとき、「まぁ、人並みには」とか答えていたくせに(笑)

康一の数奇な人生を格好の漫画ネタの材料と捉える岸辺露伴は、取り憑かれたように執筆作業に没頭。このままでは自分の“ページ”が残らず剥ぎ取られてしまうと危惧した康一は、心配になって様子を見に来た仗助と億泰に助けを求めようとするが、露伴の能力の影響のせいで事情を話すことができない。

しかし、ここで康一が直接異変を口で知らせることがなくても、仗助と億泰は康一の窮地を敏感に感じ取り、露伴の家まで上がり込んできたのが格好良かったです。察しの良い主人公っていいな。

ザ・ハンドで攻撃を仕掛ける億泰に対し、露伴は手元の原稿用紙を見せて、康一と同じく1冊の本に変えてしまう。紙一枚を見せるだけのお手軽なコストなのに、防ぐことも自力で解除することもできないというのは、ちょっと便利すぎる気が…。これで相手は何でも言いなりなんて最強の能力なんじゃ?

「漫画家というものは、職業柄いつもあらゆる状況を考える癖がついているものなんだ」
「漫画の主人公はこの状況で、一体どんな行動が可能だろうか、とね」
「この場合、正体を知られた仗助に逃げられたら、僕は実に困るんだよ」

岸辺露伴は、物事を徹底した客観視で喋るところが実に面白い。億泰がやられてもすぐに助けに入らず、ドアの後ろでじっと様子を伺う仗助の心理を考察。彼が一度屋敷から撤退して仲間を連れてくる可能性を看破した上で、逃げたら億泰は焼身自殺を図るように先手を打つ。

ヘブンズ・ドアーを無力化させるため目を瞑って突進してきた仗助に対しても、その発想に感心を憶える余裕を見せながら、僅かコンマ2秒の間に思考をフル回転させて対処法を導き出す冷静さ。如何なる状況でも、自分自身を物語の登場人物の1人と位置付け、全体を俯瞰して状況を見通しているのはまさに漫画家ならではの視点という感じですね。やっぱり岸辺露伴=荒木飛呂彦なんじゃないの?(笑)

ただ露伴が目測を誤ったのは、仗助の目を開けさせる策として彼の髪型を中傷してしまったこと。挑発された仗助は思惑通り目を見開いたものの、怒りのあまり我を忘れて、そのせいで原稿が目に入らなかった。そのため、ヘブンズ・ドアーの能力は発動せず、敢えなく「ドラララララァ!!」の餌食に。敵をぼっこぼこに殴りまくるジョジョのラッシュオチは久々だったせいか、いつも以上にスカッとしましたね~。

細かいことを指摘するようですけど、仗助が殴りかかってきた行為は、「東方仗助が岸辺露伴を困らせた時、わたしは焼身自殺します」という億泰の縛りに抵触しなかったんでしょうか? あと、露伴は絶対人の髪型バカにできないよね!?(笑)

そのヴィジュアルといい、エキセントリックな性格といい、とことん新感覚な岸辺露伴というキャラクターは最高でした。ただ面白い漫画を描きたいという一念だけで、自分の利益や善悪の区別にまったく無頓着な行動原理も、敵キャラ像としては極めて斬新。人気があるのも頷けますよ。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. 康一くん実況が前のめり過ぎて笑いました。作業してる人の後ろでうるさ過ぎでしょ(笑)
    それにしても、スタッフも露伴人気を意識したのか今回やたら力が入っていた気がします。期待通り、いやそれ以上の回になって私は大満足でした。

    >最強の能力なんじゃ?
    ジョジョの最強キャラ議論は単純な強さで測れないので大体決着がつかないのですが、「発動しさえすれば無敵」ということで露伴の名前はよく挙がりますね。

    >億泰の縛りに抵触しなかったんでしょうか?
    もちろん抵触しまくっていますが、なにせ焼身自殺ゆえ実行から死ぬまでに時間がかかるので、露伴をぶちのめして解除させてから治せばいいってことだと思います。
    でぇじょぶだ!クレイジーダイヤモンドがあれば生き返…らないけど治るから気にすんな!

    >露伴は絶対人の髪型バカにできない
    これはみんな思いますね(笑)
    そのギザギザは何なんだよ、とずっと思っていて、最近ようやくあれがヘアバンドだったことを知りました。ああいう髪型なのかとばかり…
    あとこのシーン、ノリノリで煽る露伴にちょっと笑いました。もう仗助の目は開いてるのに立ち上がってまで…完全に煽るのが楽しくなっちゃってますね。

    あ、先週言い忘れていました、岸「辺」露伴ですよ。

    • 露伴だから気合い入っていたのか、単に2クール目の初回だったせいなのか、作画はかなり良かったですね~。「ヘブンズ・ドアー」で人間が本になってしまう描写も緻密に描き込まれていて、これの作画は大変だろうなと感心しながら見ていました。アニメの作画のすごさというよりは、原作の荒木さんの作画のすごさでしょうが。

      >「発動しさえすれば無敵」ということで露伴の名前はよく挙がります
      ジョジョのスタンド能力はほぼ初見殺しですからねぇ。能力を発動させない、もしくは逆に利用するという知恵でなんとか攻略できる場合も多いですし、一概にどれが最強という議論は難しいのかも。

      >焼身自殺ゆえ実行から死ぬまでに時間がかかるので、露伴をぶちのめして解除
      ああ! 億泰は焼身自殺している途中だったのか! 億泰が焼け死ぬ前に露伴を倒して、能力を解こうとしたのは確かに道理が通っています。すみません、これは完全に私の理解力不足でした…。

      >最近ようやくあれがヘアバンドだったことを知りました
      ヘアバンドー!? あれ、ヘアバンドだったのか! 変なぎざぎざなのも自毛で、てっきりツーブロックにしているのかと思っていましたよ!

      >岸「辺」露伴ですよ
      わ、申し訳ありません~。何度も岸部岸部と連呼してしまって、お恥ずかしい。まとめて修正しておきました。

  2. 露伴もそうですがジョジョのキャラクターは敵も味方もバイタリティに溢れててそれが魅力につながってるのではないでしょうか
    主人公やラスボスに限らず、ポルナレフや形兆、露伴といった脇役も方向は違いますが情熱にあふれているというか悲しいできごとや追い込まれることがあっても陰鬱になったりせず立ち向かっていく姿勢が人気の理由なのかなって思います
    OPも前のものと比較すると、日常から非日常への転換を強く感じさせる歌詞とアニメーションで今後が楽しみですね

    • 仰る通り、ジョジョに出てくるキャラはバイタリティ溢れたタイプが多いですので、敵味方含めて気持ちのいい性格のキャラばかりですね。

      三部の敵はみんなDIOの手下で、DIOの命令に従って戦っていましたが、四部は徒党を組まずそれぞれが独自の思惑で動いていて、戦う動機の部分でも個性が出ているのがいい。主人公チームは正直なところ、今はまだ三部の方が好きなんですけど、敵は四部が好きかなぁ。

  3. てめーは俺を怒らせた。

    それが敗因となるのは、DIOだけじゃない事が良くわかる話でした。
    とりあえず、東方親子を助けた名も無き不良の話、この経験は著作のネタにする価値は十二分にありますね。

    • 感想では触れなかったですけど、東方親子を助けた血まみれの男の正体は気になります。恩人の髪型を真似たということですが、見た目も背格好も仗助と瓜二つだったので、別人というよりは本人のような気がしてならないのですが…。

  4. 仗助が突っ込んでいったときに億泰は思いっきり燃えてましたよ。
    しかし、仗助の察しの良さは半端ないですね。由花子の時も電話から聞こえる波の音から場所を特定してたしコ○ン君もびっくりですわ。

    • 本当ですね…。最初のライターの火が燃え移っただけだと思っていましたが、まさにあれが焼身自殺の途中だったんですね。見誤っていました。

      >仗助の察しの良さは半端ない
      はっきり口にしても「え、なんだって?」と理解してくれない主人公がいる中で、はっきり口にしなくても心情を酌み取ってくれる主人公は気持ちがいい。