ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第9話「山岸由花子は恋をする その2」雑感

常軌を逸した由花子の愛情は留まることを知らずエスカレート。トイレを使わせず、その場でお漏らしさせるという人間の尊厳を踏みにじる辱めに、電気椅子で拷問レベルの苦痛を与えようとしてくる鬼畜の所行。愛する男のために、電気椅子を自作するという埒外に狂気にもう降参ですよ(笑) 愛は無敵だわ…。

何を訴えても聞く耳持たない由花子に説得は無意味。ならばと、第三者に助けを求めるべく、公衆電話を使って仗助らを助けに呼ぼうと画策するが、所持金を取り上げられているため、自分から電話を掛けることはできない。

そこで康一はエコーズを使い、由花子の腕に電話の発信音を埋め込み、彼女が電話を使う際にそれを鳴らした。エコーズはこれまでもいろんな応用技を見せてくれましたが、このアイディアは特に秀逸だと感じましたね! 受話口から直接発信音を流せば、プッシュ回線の公衆電話はボタンを押さずとも電話が繋がる。その手があったかと。惜しむらくは、公衆電話に馴染みのない世代には、この技の凄みがイマイチ伝わらないってことでしょうか(笑)

無言の電話を康一からのSOSであると敏感に感じ取った仗助は、背後から聞こえる波の音(電話ボックスから波の音が聞こえるのかはともかく)を頼りに、すぐさま康一の監禁場所を特定して急行。とにかく電話さえ繋がれば、仗助はすぐにでも自分の居場所を見つけて助けに来てくれるという康一の信頼。そして、その信頼に応える仗助。この2人の関係性が見えてとても格好良かったです。仗助たちは駆けつけるのが遅くて、結局何の役にも立ちませんでしたけど(笑)

ここで康一は従順さを捨て、由花子に「大嫌いだ」とはっきり拒否反応を示すようになりましたが、そんな拒絶にまったく怯まないのがヤンデレという人種の恐ろしさ。エコーズによる不協和音もまるで意に介さず、「絶対に、愛させてみせる。さもないと、殺してしまうかも」という衝撃的なセリフを吐いた彼女は、並大抵のヤンデレじゃございません(笑) ヤンデレの元祖ともいうべきキャラクターが、いきなりこんな最高峰のクレイジーさを誇っていたなんて。

このあと、追い詰められる一方だった康一は、エコーズが突然成長を遂げACT2とやらに進化したことで形勢逆転。音を鳴らす能力だけでなく、文字に触れると音が実体化して効力を持つように。成長するスタンドというのは面白いと思いますけど、「戦いの最中に急にパワーアップして勝つ」というのはバトルとして下の下。ジョジョではあまりこういったご都合的な展開は見られなかっただけに、ちょっぴり残念な感じ。

逆に劣勢に立たされてしまった由花子は、我を忘れる怒りで余裕をなくし、ますます暴走が激化。言葉遣いも一気に荒くなり、とんでもない暴言の数々が発せられるようになりました。

「よぐも、このションベンちびりがぁー!!」
「アタシの大切な髪の毛が真っ白になってるわ!! このへなちん野郎がぁーー!!」
「このままこのションベンたれのチンポコ引っこ抜いて、そこから内臓ぶちまけてやるわ!!」

や、やめてー! 能登麻美子さんがヨゴレ声優になってしまうー!! ……って思いましたが、ギャル子ちゃんでとっくにヨゴレていてたんで今更でした(笑) こんな直球でえげつないセリフを全力で叫べる能登さんを尊敬しますよ。でもまた君に届けの黒沼爽子ちゃんみたいな可憐なキャラも演じさせてあげてね…?

怒りのあまり、完全に康一を殺すことで頭がいっぱいになっていた由花子に対し、誤って崖から転落した彼女の一命を救った康一。その優しさに心洗われた由花子は、ようやく自分の行いを悔いて改心。「アタシ全然相手にされなくてもいい! 康一君のことを想ってるだけで、幸せだわ!」と、ヤンデレからストーカーへと綺麗に生まれ変わりましたとさ。めでたしめでたし!

康一の方も由花子とのバトルでスタンドがパワーアップした上、教育の甲斐があったのか学力もアップ。由花子が宣言していた通り、一回りも二回りも男として成長したのですね~。やっぱり康一君には由花子さんが必要なんだ!

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  1. 射程50メートルで壁とか関係なく顕現できて音を設置できるって本当エコーズは地味に便利ですよね。進化しても刻命館スタイルになっただけで直接戦闘力が皆無なところはイカしてると思います。落ちが秀逸でしたね。w
    次回は個人的に四部で一番好きなエピソードなので楽しみです。

    • 音を鳴らす、音を実体化させて効力を発揮する、スタンド能力としてはかなりしょぼい部類だと思います。もし自分のスタンドがこんなのだったら、マジシャンズ・レッドみたいなのがほしかったと嘆いていたことでしょう(笑)

      しかし、そんな直接的な攻撃力を持たないスタンドを、頭使って上手く戦闘の中に取り入れて使いこなしてしまう康一君はすごい。ACT2になって、もっと驚くような使い道が見られるといいですね。

  2. パワーアップ勝利はまあ3部からお馴染みなのでご容赦を^^;(ストレングス戦でのスターフィンガー
    DIO戦での時止め覚醒)
    一応補足しておきますと基本的にパワーアップするのは成長性が高いスタンドに限定されます。
    途中でアイキャッチが出るのですがあのスタンドステータスで成長性という項目がありまして、
    あの部分がAに近ければ近いほど成長の余地があるスタンドと設定で決まってますので全くのご都合ではないです。
    実はもう一つ成長する方法があるのですがネタバレになるので割愛させていただきます。
    詳しくは本編でご確認を。
    スタンドは本人の精神力次第でいくらでも強くなれるってのは上手い設定だと思います。
    パワーアップ勝利と機転の勝利を上手くミックスさせてるのが特に上手いなあと。

    次回は私が本誌でジョジョを読んできて色んな意味で衝撃を受けた回です。
    この回を原作知らずにアニメで体験出来るのが羨ましくてしょうがないです。お楽しみに。

    • 戦闘途中に急なパワーアップを遂げて勝利というと、それこそストレングス戦やDIO戦ぐらいしか思い出せませんので、ジョジョは他のバトル漫画と比較するとかなりご都合感は少なめだと思います。

      エコーズに関しては、最初卵で誕生して、卵から孵って幼体となりましたので、“成長していくスタンド”というのは充分想定できたこと(ACT1が幼体だと気付いていなかった私が言うのもなんですが)。ですから、“途中でパワーアップ”はまったくのご都合的展開だとは言えないのですが、戦いの最中、ピンチに陥ったときに上手いことパワーアップしてくれましたので、ちょっとタイミング良すぎたかなと(笑) もう少し早めに成長の兆しを見せてくれたら、またイメージ違ったでしょうが。

      この先、スタンドがパワーアップして勝利するパターン一辺倒になるのではなく、従来型の機転を使った頭脳的勝利を上手くミックスさせてくれるなら全然文句ないですよ。

      >次回は私が本誌でジョジョを読んできて色んな意味で衝撃を受けた回
      原作知らずにアニメで体験できるのが羨ましいとまで言われてしまうと、俄然気になってしまう。「イタリア料理を食べに行こう」というエピソードタイトルから、どんな話に発展するのかまるで想像できませんが…。

  3. 由花子が他のヤンデレと違うのは、「自分の意思」をしっかり持っているところかなあと思います。
    私の偏見かも知れませんが、世のヤンデレって主体性が無くて、完全に相手に依存しているイメージがあって苦手なんですよね。
    どんな悪役でも、自分の信念を持っているキャラは私は魅力的だと感じます。ジョジョ4部は信念を持った敵キャラが多いから好きなんですよね〜。(もう何度も言った気がする。笑)
    そういう意味では由花子の魅力はまだ半分しか描かれていないですが。

    >戦いの最中に急にパワーアップして勝つ
    今までのジョジョにおいては殆ど無かった展開ですよね。基本的に自分の持っている能力の範囲内で応用することで敵を倒してきました。
    私もその方が好きです。ご都合的というのもあるし、持てる手札で工夫する展開の方が「おおっ」となって面白いんですよね。(パワーアップにはドラゴンボール的なワクワク感もありますが)
    しかし残念ながらこれからは戦闘中に新しい能力に目覚めて敵を倒しまくる…と言うことはなく、康一くんは例外なのでご安心。
    「戦闘中に」「以前に明示的な伏線無く」能力に目覚めるのはジョジョ全編通して康一くん含め二人(承太郎の時止めも含めれば三人)だけ…かな?多分。
    康一くんはスタンド使いの水準に達していないのに弓と矢+CDで無理やり能力を引き出された為、卵→幼虫→成体と成長していくスタンドになった、ということなんでしょうね。

    • 私がヤンデレをあまり好まないのは、男への依存が強すぎるキャラであるから。裏を返すと、「美少女に依存されたい」という男の身勝手な願望の産物であるから。由花子はヤンデレに属するヒロインでありながら、そういった依存性を前面に押し出すのでなく、自分の理想を押し付けてくる本当の意味での厄介な女であったことが、自分にとってとても新鮮で引き込まれた感じ。元祖ヤンデレヒロインを新鮮と称するのも違和感ありますが(笑)

      何にせよ、ジョジョに出てくる女性キャラはハズレなしですね。三部にでてきた家出少女だけはちょっと微妙だったものの、あとは全員好き(一番はリサリサ先生)。

      >基本的に自分の持っている能力の範囲内で応用することで敵を倒してきました
      そこがジョジョのバトルの素晴らしさだと思います。今ある手持ちの武器で工夫して、常に頭脳で相手を出し抜いて勝利を収めてきました。たまに「ん?」と引っかかる怪しい理論も散見されますけど、主人公特有のパワーアップで安易なごり押しをしないのは感心させられます。

      >戦闘中に新しい能力に目覚めて敵を倒しまくる…と言うことはなく、康一くんは例外
      仰る通り、エコーズは卵→幼虫→成体と成長していくスタンドだと示唆されていて、事前に伏線がまったく明示されていなかったかというとそうでもありませんでしたので、ギリ許せるレベルだったかな(偉そう)。

      一番最悪なのは、主人公がピンチになると「チカラガホシイカ…?」とか訳わかんない奴が急に出てきて、なんかすげー力を授かって、逆転勝ちするっていうパターン。最近ではニンジャスレイヤーがそうでしたが、あれはギャグなので許せます(笑)

  4. 白髪になった由花子可愛かった(小声

    ここ二回はギュッと中身の詰まった見ごたえある内容でしたね
    色々な要素を絡ませたバトル展開の魅せ方はさすがだなって楽しんでました

    • 髪が白くなったあとの由花子はめちゃくちゃ可愛かったですね!(大声) 厳密には白髪になったから可愛くなったのではなく、浄化されて憑き物が落ちたようにナチュラルな笑顔を見せるようになったのが可愛すぎました。根っこの狂気の部分は大して変わってなさそうですけど(笑)

  5. 次の回が一番楽しみに待っていました。
    トマトとチーズを準備して観よう。

    • うーん、そんなに口を揃えて次回はすごいと絶賛されると、否が応でも期待感が増してきます。でも、あんまりハードル上げすぎて「こんなものか」とガッカリするのも嫌なので、気持ちの持って行き方が難しい(笑)

  6. ヤンデレって描くのが難しいですよね
    見る側に恐怖は与えつつも、嫌悪をあまり感じさせては失敗しちゃう。
    そういう意味では山岸由花子は原初にして至高。未来日記の我妻由乃なんかも結構キてますけど。

    由花子は無事ストーカーにクラスチェンジしましたが、結構康一君とはいい感じになるのです。後にあるエピソードでの康一君の漢っぷりたるや。

    次回はトマトとモッツァレラチーズが食べたくなること請け合いですよ。

    • ヤンデレに限らないことですが、恋する女子の魅力はお相手の男子の魅力が伴ってこそ。何の魅力もない男にべた惚れしていたら、その時点で女としての価値も下がるってもんですが、康一は愛されるに足るだけの魅力をちゃんと持っていたのが大きいですね。

      最初は、初めての女子に告白に浮かれてしまい、はっきりしない曖昧な態度を見せたことで由花子を暴走に駆り立てる一因を作ってしまった。そのことに自分自身ちゃんと反省できていたのが偉いな~と。そのあとはしっかり拒絶の意志を示すこともできましたしね。由花子の耳には届きませんでしたが。

  7. >戦いの最中、ピンチに陥ったときに上手いことパワーアップしてくれましたので、ちょっとタイミング良すぎ
    それは全く逆でピンチになったから成長しました
    スタンドは精神の具現化なのでピンチに陥った時に「打つ手がない。だが負けるわけにはいかない、勝たなければ!」という状態になるとスタンドが成長しやすいのです
    エコーズのように姿や能力まで変わるのは珍しいですが3部終盤のシルバーチャリオッツの様にスピードや射的距離、あるいはパワーが伸びるような事は味方はもちろん敵にも多いですね

    まあ要するにピンチに覚醒するというご都合展開に設定段階で理由付けが存在しているという事です

    • スタンドのパワーが使い手の精神力とリンクしているのであれば、ピンチになるほど強さが増すのは筋が通っています。ただ、どんなバトル漫画でも「激しい怒りによって伝説の力が目覚めた」といったように、主人公のパワーアップには一定の理屈が存在するもの。その理屈のありなしが重要なのではなく、ピンチに陥るとパワーアップするという設定自体が禁じ手であってほしいという(個人的な)願いですね~。

      主人公がピンチを切り抜ける術はバトルの見どころだと思いますので、「どうせパワーアップしちゃうんでしょ?」となると、ピンチに対する緊張感が薄れちゃうから困りもの。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。