ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない第4話「虹村兄弟 その2」雑感

億泰の兄、虹村形兆のスタンド「バッド・カンパニー」は数十体の武装した兵士によって編成されており、サイズ感こそ小さいものの、まさに本物の軍隊そのもの。スタンドは単体であるという先入観ゆえ、群体型のスタンドが現れたことに今私は驚きを隠せません。まさにこれは、Fate/Zeroのイスカンダルの宝具が「軍勢」であったときの衝撃に匹敵します。

“スタンドが軍隊”というアイディアは正直かなり痺れましたね。個人VS軍隊で戦争が始まるなんてものすごく熱いシチュエーションで、ジョジョのバトルの中でも指折りといえるわくわく感。むしろラスボス用に取っておけばいいと思えるほど秀逸な設定のスタンドだけに、こんな序盤で使ってしまっていいのかしらという思いも(笑)

最初は歩兵だけかと思いきや、軍用ヘリや戦車といった兵器まで繰り出してきたから更に熱い。気付けば、陸から空から辺り一面広がる大編隊に取り囲まれていたという場面はヴィジュアル的にも相当なインパクトがあり、恐怖心を伴う大興奮がありました。アポカリプス・ナウ!

有能なるクレイジー・ダイヤモンドでも、攻撃の射程距離が極めて短いがため、遠隔から絶え間なく砲煙弾雨を浴びせてくるバッド・カンパニーとは頗る相性が悪い。それでも必死に砲撃をラッシュで防ぎながら、じりじりと間合いを詰めていく。こういう一方的に攻撃を受けながら、一発逆転のチャンスを伺っている状況ってすごく好きで手に汗握ります。またFateを例に挙げますけど、ギルガメッシュVSバーサーカー戦がフラッシュバックしましたよ。

しかし、これだけ胸高鳴る最高峰のバトルが繰り広げられたというのに、その決着の付け方があまりにしょぼかった…。バッド・カンパニーの一斉射撃を食らう前に、腕に食らった敵のミサイルをクレイジー・ダイヤモンドで再生させ、逆に形兆を狙い撃ったという逆転劇。たったそれだけで勝ててしまったのは味気なさすぎるとしか言い様がありません…。修復させたミサイルが形兆めがけて飛んでいく原理もよくわかんないし…。

威風辺りを払う強烈なスタンドとの対戦だったんですから、最後まで白熱した死闘が繰り広げられてほしかったなぁ。どうして最後がこんな尻窄みだったのか。一応、話は今回で終わりではなく、次回「虹村兄弟 その3」に続くみたいなので、まだまだバッド・カンパニーの底力はこんなもんじゃないって信じていますが…。まだ一波乱あるよねっ!?

バッド・カンパニーの攻撃に巻き込まれ重体に陥った億泰は、クレイジー・ダイヤモンドの力で一命を取り留める。敵である自分に何故恩情をかけて助けたのか疑問を呈す億泰に対し、「何も死ぬことはねぇ。さっきはそう思っただけだ」と事も無げに答える仗助の優しさ。そんな仗助に義理を感じ、康一を救出するのに手助けしてあげた億泰もまた、人情味溢れるいい男でした。

「フッ…。グレートだぜ、億泰」

康一を助けたときの「グレートに危なかったな」というセリフのように、仗助の「グレート」の口癖は真中らぁらの「かしこま!」並みに無茶苦茶な使い方が目立つんですけど、ここでの「グレート」は珍しく当を得た使い方でした(笑)

形兆に矢で射られた広瀬康一はスタンド能力が覚醒。しかし、発現したのは本人でさえ何物か理解に及ばぬ正体不明のタマゴ。ここから孵るスタンドとは一体…。もしや凄まじい能力を秘めた怪物が誕生してしまうのか?

女児アニメに浸りきっている自分としては、こういうのが生まれてくる未来しか想像できないですが…(笑)

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. いや〜カッコいいですよねバッド・カンパニー。
    群体型のスタンドの登場は私も初めて見たときはびっくりしましたよ。
    これまでの先入観を覆す衝撃もあって印象によく残っているスタンドです。
    ちょっともったいなかったな〜と思ったのは最初の攻撃シーンでSEや演出で銃器が想像できるようになってたところ。
    原作だと暗闇が光ったと思ったら突然億泰の顔が穴だらけになってたので全く正体が分からず、恐怖感も正体が明かされた時の衝撃も大きかったように思うので。

    >最後まで白熱した死闘が繰り広げられてほしかった
    ジョジョはギリギリまで追い詰められたところでワンアイディアでひっくり返すパターンが多いですが、この最後の決着が納得できるかどうかで評価も大きく変わるのかも知れませんね〜。4部は特にそういう事が多いかもしれない…とは予め申し上げておきます。
    敵スタンドのアイディアや個性的なキャラクター、追い詰められるスリルはものすごく巧みに描かれるので私はそれで満足して大体の決着は受け入れてしまうのですが(笑)

    >康一を救出するのに手助けしてあげた億泰
    私はここの「俺は馬鹿だからよぉ〜〜 心の中に思ったことだけをする」ってセリフが結構好きなんですよね。
    打算や嘘が一切無い、億泰が馬鹿だからこそグッとくるシーンだと思います。

    >こういうのが生まれてくる未来しか想像できない
    卵から生まれてくる自分の分身と言うと私は幽遊白書のプーを思い出しました。
    あれ?ヴィジュアル的には大差ない?

    • 船そのものがスタンド、太陽そのものがスタンドというのにも驚かされましたが、軍隊そのものがスタンドというのは驚きに恐怖が加味されてよかったです。数が多いというのは、それだけで絶対的な優位性ですから、心理的なインパクトがありますよ。

      >最初の攻撃シーンでSEや演出で銃器が想像できるようになってた
      あ、なるほど。そこは確かに漫画で読んだ方が正体不明感がより強まって良かったかも。アニメだと銃声だと一発でわかってしまっただけに。

      >最後の決着が納得できるかどうかで評価も大きく変わる
      ザ・ハンドもバッド・カンパニーもこれまで登場したスタンドの中でも上位に入るほどお気に入りだったのに、どちらも最後の決着の部分で引っかかりを感じて消化不良感が残ってしまったのは残念(形兆戦がこれで終わりなら)。いっそアンジェロのときみたく、最後はボコボコに殴って気持ちよく締めてもらえれば(笑) これなら途中怪しい理論で「ん?」と引っかかったとしても、なんとなくすっきり終われますんで!

      >打算や嘘が一切無い、億泰が馬鹿だからこそグッとくるシーン
      わかります。このセリフはよかったですね~。億泰は自分をバカだと受け入れた上で、自分の心のままに行動できるから素晴らしい。単細胞バカは主人公の仲間としてよくあるポジションですが、自分でそのバカを自覚しているのは結構珍しいかも。

      >卵から生まれてくる自分の分身と言うと私は幽遊白書のプーを思い出しました
      あー! そういやいましたね。幽☆遊☆白書好きなのに、プーの存在すっかり忘れていました。これでまたジョジョと幽☆遊☆白書の共通点が増えました。億泰も桑原に見えて仕方ないです(笑)

  2. >たったそれだけで勝ててしまったのは味気なさすぎるとしか言い様がありません…

    これは逆です。バッドカンパニーがあまりにも強力で倒しづらいため本体への攻撃しか方法がなかったんです。
    それだけで勝ててしまったのではなく、あれしか勝つ方法がなかったんです。
    群体型と呼ばれるタイプのスタンドは1体や2体倒した程度では本体へダメージがフィードバックしません。
    半数以上潰してようやくダメージが通り始めるのでそもそも形兆のスタンドへの攻撃は余り意味がないんです。
    広範囲一斉攻撃のような全体攻撃でバッドカンパニー全体を一瞬で潰すなら可能ですけどね。
    もちろんクレイジーダイヤモンドは単体攻撃専門なので相性的には最悪です。
    その絶対的不利の状況下であの一瞬の機転と鮮やかな決着は見事と言えるでしょう。
    あとミサイルが形兆の方に向かったのは仗助がクレイジーダイヤモンドで「軌道修正してから直した」ためです
    ミサイルもスタンドなので3部のホルホースのように直前で消せば助かったのですが、ミサイルの超速度に
    思考が追いつかず直撃したわけです。まぁ仗助の作戦勝ちですね’。一瞬で勝負付くのもジョジョらしくて良かったなと。

    • 仗助としては、敵の本体に切り込み、一撃で仕留めるのが唯一の勝算であったのはわかります。そのためにいろんな布石を打ち、相手の攻撃を耐え抜いて、潜り抜けて、渾身の一撃を食らわせて逆転KOしてやったなら「おおっ!」という興奮もあったでしょうが…。

      咄嗟の閃きで頭脳的勝利を収めるのはいいんですけど、植木鉢がよけきれなかった、自分のミサイルがよけきれなかったという自爆に等しいやられ方では、爽快感という意味ではやっぱり希薄。特に今回のバッド・カンパニーは身震いするほどの威圧感を持つ強敵で、名バトルとしての期待値が高かっただけに、もうちょっとタフな戦いを見せてほしかったな…と(笑) この高まったテンションを最後は気持ちよく発散させてほしかったですよ。

      でも、「しょぼい」はちょっと言い過ぎでした。自分が想像していた感じじゃなかったというだけで、話自体は良く出来たものだったと思います。

      >ミサイルが形兆の方に向かったのは仗助がクレイジーダイヤモンドで「軌道修正してから直した」
      被弾した時点でミサイルは推進力を失っているので、軌道修正しても形兆の方に飛んでいかない気もしますが、さすがにそこまで言い出すといちゃもんレベルなので納得いたします(笑)

  3. ジョジョの決着の仕方ってだいたいこんなもんじゃありませんか?特に気になりませんでしたね。それよりもナレーションがないことの方が気になりました。直したミサイルが形兆に突っ込む所もナレーションがあればもっと盛り上がってるかなーと思いました。

    • ジョジョの場合、ナレーションが入るとギャグになっちゃうから(笑) 億泰戦はともかく、形兆戦はシリアスな緊迫した戦いでしたので、あそこでナレーション入ると、逆に雰囲気ぶち壊しになっていた恐れはありますね。でもジョジョにはつきものの解説キャラが今回いないので、何らかの説明はあった方が良かったかな?

  4. あ、仗助が直したのは被弾したミサイルじゃなくてその直前に拳で薙ぎ払った方です。
    右拳でミサイル破壊(この時に破壊しつつ向きを変えたのかも。ミサイルの横から薙ぎ払っているので)→その隙を突かれて左腕にミサイル被弾→ミサイル修復、バッドカンパニーは全隊仗助を照準していたので防げず
    こんな流れだと思いますよ〜。

    • 薙ぎ払った方の2発なのはわかるんですが、それでテニスみたいにミサイルを跳ね返すことができるものかなと思いまして(笑)

      まぁ、クレイジー・ダイヤモンドはただ復元するだけじゃなくて、顔面の形状を意のままに変えたりすることもできる能力ですから、ミサイルを復元するときに再び推進力を付け加えたと考えてもおかしくないですね。

  5. たぶん作者は説明よりマンガ的な面白さを追求していると思うのです。
    マンガとアニメを比べると、表現方法が異なるせいか、原作では勢いよく描かれて、気にせず読んでいたものが、
    アニメになると「ん?」と説明不足や疑問を感じたりしてしまうかもしれません。

    もしかしたら今後も「ええ??」と思うところがあるかと思いますが、キン肉マンのゆで理論くらいな気持ちで
    視聴して、ぜひ4部を楽しんでほしいです!!

    • 理論的には一部・二部の方が怪しい点はたくさんありましたが、あっちが引っかからなかったのは、とにかく展開が速くて、突っ込む暇を与えなかったからだと思います。変に立ち止まって無理に理屈を説明し始めると突っ込まれちゃうので、がばがば理論はさっさと流して、次の展開に持っていくのが最善かなと。

      私も「え?」と思う箇所があってもなるべく立ち止まらないようにしたいですが、“決着”という部分ではどうしてもそこで一区切りしてしまうので、ついつい粗探しの言葉が出てきやすい…。決着部分だけは、どうかもう少し納得行きやすい理論でお願いします。