氷菓雑感(というか悪口)

開始30秒もしないうちに、主人公への強烈な拒絶反応。いきなり世の中を斜めに見た発言から始まり、周囲を冷ややかに見下しながら、さも自分は大衆とは違うんですといった態度。何かに打ち込んでるわけでもなく、捻くれた思考でつまらなさそうに怠惰な日々を過ごす無気力主人公に、早くも私はギブアップ

いやぁ、まだこんな輩が生き残っていたんですね…。「エネルギー消費の大きい生き方に敬礼」には、思わず手が出てしまいそうな程ムカつきましたよ。ここ数年で、一番不快にさせられたセリフ。無気力なのがカッコイイと思っているのは、本人以外世界のどこにもいないことに早く気付いて欲しい!

主人公の友人は、これまた紋切り型のお調子者タイプ。冷めた口調でツッコミを入れる主人公との掛け合いは一昔前のエロゲそのもの。ていうかこれ、完全にCLANNADじゃないですか…。声優が岡崎と春原のまんまですし。岡崎と春原はまだギャグが面白かった分微笑ましく見ていられましたけど、こちらはジョークすらオシャレ感を意識しているのが嫌。

ヒロインは、初対面の男子相手にキスしそうなほど顔近付けたり、両手を握ったり、実に馴れ馴れしい。まぁ、自分からは何もアクションを起こさない無気力主人公だと、狂言回しの友人と馴れ馴れしいヒロインがいなきゃ話進みませんからね~。無気力主人公が1人いるせいで、周りのポジションも自動的に決まってしまう不幸。

ラノベ特有の回りくどい説明口調、シニカル気取りのウザイ独白はしっかりあり、私のラノベに対する偏見がより一層強まる作品でした。殺人事件のような高校生には不相応な大事件ではなく、何気ない日常の不思議を推理していくコンセプトはすごくいいと思ったんですけど、得意気に真相を語る主人公を見てイライラしてしまうようではどうにもこうにも。

京都アニメーション制作だけに、作画、というより映像美は驚くべきものでしたが、「これ必要?」と思える無駄な演出。ただ技術力を見せつけたいがためのファイナルファンタジー病になっていませんか?

氷菓 限定版 第1巻 [Blu-ray]

販売元:角川書店( 2012-06-29 )

定価:¥ 7,560 ( 中古価格 ¥ 846 より )

Amazon価格:¥ 2,999

時間:80 分

2 枚組 ( Blu-ray )


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  1. 氷菓、原作大好きで楽しみにしていたのですが、まだ録画見ていない段階でこちらよんでしまってビビっています(^^;

    僕が原作読みだしたのは角川文庫に移ってからだったのでラノベっていうイメージはありませんでしたけど、確かに言われてみれば典型的なエロゲ主人公かもしれませんね。

    また作者のもう一つのシリーズも主人公の嫌さ加減には定評があるところなので^^あわないときっと厳しいですね。

    僕がこの作者、米澤穂信さんの著作に手を出したのは『さよなら妖精』でした。
    このタイトルでユーゴスラヴィアがらみって情報だけで吶喊という完全勘違いだったんですけど、面白かったので結果オーライというか、それ以来贔屓にしているのでアニメは成功して欲しいんですけどね~。

  2. 私は結構満足しました。たしかにホータローのセリフに声がつくとウザさ倍増ですが、もともとホータローはキライなキャラでもないのでw ほうたる君は無気力がカッコイイと思ってる訳じゃなくてそういう性格なだけなのでまぁこれは合わないなら仕方がないですね。普通のミステリにだってこういう探偵キャラはそこそこいますし。

    それはそれとして、これってラノベなのかなぁ。今は亡き角川スニーカーミステリ倶楽部版(体裁とかが全然ラノベじゃない。挿絵も無い。表紙も萌え絵じゃない。スニーカーというレーベルだけ)の初版をラノベ読みでなくミステリ者として発売日に買って所持している身としてはラノベにくくっていいのか迷うところ。現状の米澤さんの立ち位置もそれに拍車をかけますね。「イマドキのラノベ」が好きじゃないので、好きな作品がラノベにカテゴライズされるのはなんかもどかしいw

    つーか、時間をかけて映像化するなら古典部シリーズよりもさよなら妖精のほうが向いてたんじゃなかろうか。あっちにも「それには哲学的な意味がありますか?」というヒロインの決め台詞がありますし。そこそこ格調高い。間違ってもラノベではない。
    ともあれ継続視聴しますし、ブルーレイで揃えてもいいかなぁと思ってます。
    ただ、演出過多で滑ってるというのは同意です。あのラブ・デラックスにはちょっと苦笑しました。普通のシーンの背景とか動きはとても良かったとおもいますけれど。

  3.  T_Uさん
    絵が見えない小説はどうしても口調が説明過多になりがち。活字で見れば嫌味がないセリフでも、実際人間同士のコミュニケーションに用いられると、すごく気持ち悪くなってしまう。私もそうですが、オタクは得てしてその辺の配慮が欠けてしまいますね~。

    「エネルギー消費の大きい生き方に敬礼」も活字で見れば、それほど引っかかりはなかったのかもしれませんが、アニメで実際に敬礼している主人公の姿を見ると、不快感が抑えきれません。

    主人公の性格自体は、もう完全に合わないとしか言いようがないです。ただ、私は涼宮ハルヒのキョンですらイラッとするほど沸点が低いので、この作品の主人公だけ特別イライラするわけでもないですよ。

     ヒンメルさん
    ラノベじゃないのに、こんなラノベの権化みたいな主人公が出てくるのは、それはそれで問題のような気もしますが…。

    ただ、言われてみれば確かに「探偵像」からはあながち外れた主人公ではないのかもしれません。古典的な探偵はどこかしら変わり者な一面を持っているものですし、俗世間と交わらず、独特の思考回路で世の中を斜めから見るもの。そう考えると、この難儀な性格も筋が通っているというか、少し理解を示せるようになってきました。

    しかし、やっぱり私が許せないのは「エネルギー消費の大きい生き方に敬礼」なんですよね~。探偵は変人であって然りとはいえ、頑張っている人間を小バカにするのは違うと思う。それは探偵の資質と何ら関係ありません。省エネをモットーにして無気力に生きるのは勝手ですが、頑張っている人間を見下す資格なんかないですよ。これさえなければなぁ。

  4. 受け取り方は人それぞれですね。
    僕はあの敬礼を素直に、賞賛として受け取りました。
    あれは、主人公なりに自分には出来ない生き方をしている人に対する、敬意の現れだと捕えました。
    最初の方でも主人公は、そういう生き方が出来る人と出来ない人がいて、自分はどうしてもそう出来ないと語っているわけで、一種の羨望ではないかと思うのですよね。
    まっ、ちょっと持ち上げすぎな感じはありますが(苦笑)

    まあ何はともあれ、あの友人の方が僕としてうざかったわけですが・・・ヒロインも微妙だし。
    流石の京アニさんなんで、映像はまあ満足ですが・・・様子見ですかね。

  5. あれを敬意の表れと捉えるのは難しいですね…。一般人において、本当に敬意を持っている相手に敬礼なんかしないはず。残念ですが、私は皮肉としてバカにしているイメージしか感じ取れませんでした。

    しかし、こうして反対意見(理性的な)をいただけるのはありがたいことですね。皆さんの意見で、ムカつく対象でしかなかった主人公に少し理解を示せるようになりましたし、自分の考えを省みることもできました。いろいろな意見を拝聴するのはとても有意義です。

  6. 主人公は良い悪い以前にかなり精神年齢が幼いなぁと感じました。
    良く言えば純粋、悪く言えばガキ、幼稚、世間知らず。
    偏屈=ガキってのは自分もちょっと違うとは思いますね。
    デスノートのLなんかは確かに変人でしたが別にガキっぽくは無かったですし自分のやり方を追求したからああなっただけで幼稚かどうかというのは
    別問題じゃないかなぁと。
    あと感情を表に出さないだけならいちいち敬礼するのも面倒なはずなのに
    そこだけはきっちりやってるのも設定と行動にズレが出ていて何だかなぁと思いました。ジョジョの承太郎なんかもそういうキャラですけどモブを無駄に煽ったりはしませんでしたしキャラどうこうより性格なんだろうなと思います。
    まぁあの年代で相応に能力があるなら世の中をバカにしている方が現実的ではありますしリアリティーで考えたらあれもありなんでしょうけど、自分も無駄にスカしてるのが苦手でどうも嫌悪感しか感じられませんでした。人それぞれでしょうね。

  7. 努力と研鑽で高みに到達した人間が、他人を見下すのならまだわかります。しかし、こんな何者でもない奴が世の中の人間を見下すというのはどういう了見でしょうか。本人は周囲の人間と一歩距離を置くことで俯瞰して見ているつもりなのかな。でも、それはただみんなの輪の中には入れていないだけですよ。早く気付いて~。

    >世の中をバカにしている方が現実的ではあります
    ならば、見ず知らずの美少女がいきなり好意的に接してきて、顔を近付けたり、手を握ったり、現実感のないようなことが起こらないで欲しいですね。現実通り嫌われていて欲しい。

  8. 遅まきながら氷菓をみたのですが・・・。
    コレは伝統的な「Arm-chair detective」の高校生バージョンを作者さんが気取ろうとしているのではないか、と思いました。大和さんがイラっときた諸々の点もそう考えれば怠惰な探偵によく見られる「私は私、人は人」の観点で解釈可能かと。件の敬礼も本心からのものだと感じました。

    えるちゃんに関してはおおむねおっしゃる通り。あんな子がいたらちょっとヒキますねぇ・・。

  9.  みどりんさん
    高校生がアームチェアディテクティブ気取るのもどうかと思いますが、そうであれば「省エネ」をモットーにした怠惰な生き方も仕方ないですね。結局そんな人は好きになれないですけど。

    初対面から馴れ馴れしすぎるえるは決して好きなタイプではありませんが、そういう性格のヒロインじゃないと、主人公は孤独に3年間を過ごすだけなので、そうせざるを得ない事情があるのだと思います。だから、私は彼女に少し同情的です…。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。