ガーリッシュナンバー第1話「やさぐれ千歳と腐った業界」雑感

原作ラノベもコミックスもまだ1冊しか出ていないせいか、アニメはだいぶ脚本変えてきているみたいね。原作既読組でもほぼほぼオリジナルアニメとして楽しめそう。その上で、原作で見られたエッジの効いたセリフはちゃんと残っていて、声優業界のみぞおちに決まる痛烈な毒舌が冴え渡っていました。

「イベントして歌って踊ってトークして、陰口叩かれて焼き肉食べて。声優って何だろなー。私が言うのも何だけど、この業界はおかしい」

声優業界の裏側が描かれているといっても、演者側が知る実録的なリアル声優業界というよりは、ファン側が想像する声優業界の実態、つまり偏見が主立っている感じ。舞台では可憐な声優さんも裏では腹黒とか、ある意味お約束的な描写ですし、誰もが薄々気付きながら喉元で止めている本音をさらけ出すスタイルと言えましょうか。ゆえに、辛辣な批判ながら「あるある」といった共感と笑いが生み出されるのですね~。

悟浄「いくら営業頑張っても、ダメな商品は売れねえぞ」
千歳「そういうのはアニメ作る人に言ってほしいなー。何で売れそうにないアニメ作るんだろうね…」

まぁ、難しく考えずとも、ガーリッシュナンバーはセリフ1つ1つをただ追っていくだけで結構面白い。「何で売れそうにないアニメ作るんだろう」という漠然とした疑問も、アニメ好きな視聴者ならみんな共通して抱いている疑問でしょうから(笑)

「大体、ラノベ作家が何勘違いしてんのかしら。イラストのおかげで売れただけなのにね」
「あの人たち、絵も描けない、曲も作れない、演技だってできない。それでもこの業界にしがみつきたいだけの人なんだからって、パパがよく言ってるわ」

こちらはラノベ批判。ラノベをディスる際の常套句とはいえ、それをラノベ原作のアニメで自虐めいて口にしているところに意義がありますよ! 声優さん同士が打ち解け合うきっかけって、8~9割方、こういった業界批判と愚痴での共感っぽいなぁ(笑)

「イベント稼働とそこそこの顔、時代はそういうインスタントなアイドルを求めてるんだから」

アニメ・ラノベ・声優の3本柱の全方位を敵に回す姿勢が素敵! 本当はそれを好むファン(自分)も一緒にバカにされているんですけど、オタクはオタク批判を自分以外のオタクが批判されていると都合良く受け取ってしまうもの。綾小路きみまろが中高年をバカにして、それが中高年に受けているのと理屈としては変わらないかもしれません。

このようにガーリッシュナンバーの世界では業界にまつわる人間が総じてクズばかりであるせいか、本来クズキャラの名目である主人公烏丸千歳(ギャラクシーエンジェルにいましたよね?)が特別クズには感じられなくて。デビュー1年目の新人ほやほや声優ながら、早くもやる気をなくしているダメダメな彼女ですが、単に意識低い系女子というよりは、理想と現実のギャップに意気阻喪して気持ちが萎えてしまっているだけとも言えます。きっかけさえあれば再び彼女はやる気を取り戻しそうな期待感もあるため、励ますという意味で応援したくなる主人公なんです。

「お仕事終わり~♪ ワンワードでギャラ泥棒~♪ 拘束長くてコスパ悪い~♪」

もしかすると取り戻さないかもしれませんが…(笑) この最低な鼻歌には爆笑。ワンワードしか与えられない端役の自分に忸怩たる思いを抱くのではなく、大した仕事もせずお金もらえることに喜びを感じているところが末期ですね! しかも、さらっとコスパの悪さという業界批判まで織り交ぜて。この何気ない鼻歌1つだけで、千歳の性格が端的に表れているからすごいです。

難波「ま、あんまり構えずにさ。さくっと天下取ろ?」
千歳「売れちゃいましょう! 気楽に!」
九頭「いけるわー。これいけるわー。勝ったな!」

これまでの声優アニメは、SHIROBAKOのずかちゃんなり、それが声優!の一ノ瀬双葉なり、真面目すぎて思い詰めちゃうタイプが目立っていただけに、これぐらい世の中舐めきっている不真面目キャラの方が、見ていて心落ち着く部分もあります。今回は「どうか彼女が報われてほしい…」と胃をキリキリ痛めなくて済みますんで(笑)

★今週のやさぐれ千歳★


アニメ原作者がキモオタだったときの忌憚のない表情が好き(笑) 千歳は見た目に関しては文句なしにカワイイ。QP:flapperさん有能。イラストのおかげで売れるわ!

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著者/訳者:堂本裕貴

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