Fate/Zero第19話「正義の在処」雑感

前話に引き続き、オリジナルを交えた少年切嗣の過去話-ナタリア編-。5月13日母の日に、母親代わりのナタリアを飛行機ごと打ち落とすなんてとんだ母親孝行だぜ。

切嗣が暗く沈んだ口調でナタリアとの会話を交わしていたのは、ナタリアが無事に生還できるか安否を気遣ったものだと思っていました。しかし、切嗣が気持ちを重くしていたのは、ナタリアの死に対する諦観よりも、自らナタリアを抹殺せざるを得ないことに対するやりきれなさ

状況は既に絶望的で、放っておいてもナタリアは生き残れそうにない。だけど、「何があろうと手段を選ばず生き残る」がモットーの彼女は、ひょっとするとあらゆる犠牲を払ってでも生き残ることができるかもしれない。その時点で、切嗣にとっては悪という認識なんですよね。更なる災禍をもたらす事態を未然に防ぐため、“ナタリアが奇跡的に助かる”という僅かな可能性さえも摘み取ろうとする

奇跡的な生還を祈りながら、その奇跡的な生存確率すら許さないという壮大な矛盾。誰よりもナタリアの身を案じていた切嗣が、「蜂を死滅できなかった」という事実で一転して彼女の始末を決断するんですから、切り替えの早さが尋常なさ過ぎる。自分の心とは裏腹に引き金が引ける切嗣の特性、「多数を救うために少数を殺す」を信条とする切嗣の覚悟がよく伝わってくるエピソードでした。

何が一番ひどいかって、こんな鬼みたいなシチュエーションを次から次へと思いつく虚淵さんがひどい! 普通のシナリオライターなら、「母親の生還を祈っていたが、救うことができずに絶望に悲しむ主人公!」のはずなのに、「母親の生還を祈っていたが、自ら母親にトドメを刺して絶望に悲しむ主人公!」なんですから、相当性格が歪んでいる証拠です(笑) まったく稀有な才能ですよ、虚淵さんは。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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