Fate/Zero第13話「禁断の狂宴」雑感

「精魂込めて俺たちが仕上げてきたアートが……酷すぎる! こんな、こ、これが人間のやることかよォッ!!」 これには視聴者、声を揃えて同じツッコミを入れたくなるところですが、実はギャグのようでとても深いシーン。人間誰しも、被害者は自分側だと思い込みたがるもの。悪の視点からすれば、正義もまた非人道的な悪となる。そのことを実感できる良いシナリオです。

信仰心を持たぬ龍之介が神の存在を信じることにキャスターは不思議がりますが、エンターテインメントに満ち溢れているこの現世には、必ず裏で脚本を書いている神様がいるはずだと龍之介は嬉々として語る。

「神様は勇気とか希望とかいった人間賛歌が大好きだし、それと同じぐらいに血飛沫やら悲鳴やら絶望だって大好きなのさ」

これはまんま虚淵さんのことですよね(笑) 愛や勇気に感動し、愁嘆場で涙を流し、恐怖と絶望に目を剥いていきり勃つ。龍之介のいう神とは、虚淵玄に他なりません。

「涜神も! 礼賛も! 貴方にとっては等しく同じ崇拝であると仰せか! あぁリュウノスケ、まったく貴方という人は深遠な哲学をお持ちだ! あまねく万人を愛玩人形とする神が、自身もまた道化とは……成る程! ならばその悪辣な趣向も頷ける!」

キャスターにとって龍之介の考えは、自身とはまったく異なる斬新な宗教観だったらしく、いたくそれが気に入ったよう。龍之介のような無知で無力なマスターは、そのうちキャスターに見切りを付けられてあっさり切り捨てられる(殺される)だろうと思い込んでいましたけど、まさかこんなにも意気投合して仲良くなるなんてね。最低最悪な2人なのに、Fate/Zeroで一番の仲良しコンビだから微笑ましく見てしまう

ライダー&ウェイバー組は商店街へと繰り出し、束の間の休息。興味津々に周囲を見渡す征服王に対し、少しの間なら1人で出歩いても良いと許可を出す。

ウェイバー「征服するなよ。……略奪するなよ?」
ライダー「えっ!?」
ウェイバー「『えっ?』じゃねぇぇよッ! もうッ!」

このやりとりには爆笑したのにカットされていて残念。あと、史書でイスカンダルが矮躯として記されている理由が説明されなかったのも。

帰り道での2人の会話シーンはとても良かった。自分の手に余るほど強力なサーヴァントを召還したことで、マスターであるはずの自分の無力さを痛感し、それが屈辱へと変わったウェイバー。ふて腐れたような卑屈な発言をライダーにぶつけるも、ライダーは呆れるでもなく叱るでもなく、その卑屈さこそが覇道の兆しなのだと磊落に語る

「この肉体は、征すべき敵(ユメ)に比べれば芥子粒よりなお小さい。貴様も余も揃って同じこと。至弱にして極小、これ以上ちっぽけになりようもないほどに小さいのだ。そんな二人の背比べなんぞに何の意味がある?」

「至弱、極小、大いに結構。この芥子粒に劣る身をもってて、いつか世界を凌駕せんと大望を懐く。この胸の高鳴り……これこそが征服王たる心臓の鼓動よ」

自分の小ささを知った上で、分を弁えぬ大望を抱くことをライダーは由とする。己の領分に収まる程度の夢しか抱かない賢しいマスターであれば窮屈な思いをしていたが、己の欲望の埒外に向いているウェイバーとの契約は快いと偽りない笑顔で答えた。これにはウェイバーの代わりに、私が感動の涙。イスカンダルは最高の上司であり、最高のお父さんですよ。憧れるわぁ~。

河川に陣取ったキャスターが、大規模魔術を敢行して召還した最悪の水性巨獣。聖杯戦争の続行すら危ぶまれる非常事態に対処するため、マスターたちは一時休戦を結び共闘。人知を越える巨大な海魔相手に、サーヴァント同士が力を合わせて立ち向かう!

というところで第1クール終了。こんな半端なところで4月までお預けとは人が悪い…。でも、明らかに作画は疲弊して息切れしていたので、ここで一旦しっかり休養を取ってもらい、改めて気合を入れ直して欲しいところです。特に第2次キャスター戦は、洒落にならないほど作画が大変だと思うので~。

ケイネスの始末。ライダーとの決着。綺礼との死闘。2クール目も楽しみな戦いは盛りだくさん。セイバーたちの戦いはこれからだ!

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  1. さすがに今回は作画が気になりましたね・・・
    上記のウェイバー×ライダーのあたりとか。
    インパクトの強いシーンは結構キッチリなだけに残念です。
    販売ソフトで修正するのかとは思いますが。

    ラストは上手い切り上げ方でしたね。
    正直キャスター戦より前で終わると予想していたので、意外です。

    変にシリアスなまとめ方されて萎えるよりも、
    温度が高いところで終わってくれて方が良かったです。

  2. 本来なら許容範囲といえる程度の作画なんですが、最初に劇場版クラスの超絶作画を見せつけられただけに、どんどん尻窄みになっていくのが悲しかった…。落差を生むより、そこそこ綺麗な安定した作画をお願いしたい。

    >正直キャスター戦より前で終わると予想していた
    小説2巻の終わり、つまり聖杯問答の終わりと共に1クールを終えるのが一番良かったような…。聖杯問答がおざなりだったのは、つくづく残念。いくらBDで修正するといえど。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。