Charlotte(シャーロット)第1話「我他人を思う」雑感

5秒間だけ任意の対象の身体を乗っ取れる能力。瞳の赫耀で特殊能力が発動する演出はコードギアスを彷彿とさせましたが、主人公乙坂有宇はキャラ的にもルルーシュと若干似通っていて、そこにDEATH NOTEの夜神月(アイドルオタクじゃない方)を足して“3”で割ったようなイメージ。ルルーシュと夜神月が死ぬほど好きな私にとっては、いくらか稀釈されても魅力的な存在に感じられるものです。

己の能力を世界の変革のために利用した両名と違い、乙坂有宇は私利私欲による悪用ばかりなのが大きな違い。テスト中に他人に乗り移り、解答用紙の答えを暗記して自分の答案に丸写しするカンニングで難関進学校に主席で合格するなど、能力を使ってやりたい放題。わざわざ事前に頭のいい奴をピックアップして、得意科目をリサーチしておくマメさがあるなら、その労力を勉強に向けろと(笑)

他にも、自分が気に入った学園のアイドルを落とすため、トラックの運転手に事故を起こさせて助けるというひどい自作自演までやらかしていましたので、“Key史上最高のゲスい主人公”という謳い文句に偽りなしですね。ここまで最低な奴だと拒否反応を示す視聴者も少なくないでしょうけど、個人的には清々しいクズとして好意的に受け止められましたよ~(勿論、彼の行動を肯定するわけではないですが)。

特殊能力を駆使して、地位も名誉も女もほしいままにする悠々自適の人生を送っていたら、あるとき遂に能力によるカンニングが露見してしまう事態に。あっさり能力が他人にバレたのは、ルルーシュや夜神月のように地頭がいいわけではない彼の詰めの甘さによるものですが、能力が万能ではないがゆえの落とし穴だったとも言えます。

証拠を残すことなく簡単に他人に乗り移れる便利な能力も、発動中は本体が魂の抜け殻のように意識を失ってしまうデメリットがある。乙坂の不正を見抜いた友利奈緒と高城丈士朗も同じ能力者でしたが、それぞれ「自らの姿を消す(ただし対象者の視界からのみ)」「瞬間移動する(ただし任意の場所で止まれない)」といった但し書きが付随しており、一見無敵といえる能力に思えて、実は扱いづらさがあるのが面白さですね。便利だからといって考えなしに多用すると痛い目に遭うことは、乙坂君が身を以て証明してくれましたんで。

平凡な学生が急に能力に目覚めて特別な存在になる幼稚な異能者系アニメは忌避していましたが、不完全であるがゆえに使い道や使い所を考えなくてはならないCharlotteの能力は、いろいろと頭脳的な仕掛けがありそうで、これら個性的な能力がどのように物語の中で活かされていくのか興味津々。異才麻枝准なら、緻密で複雑な伏線を元に、私たちが想像も付かなかったソリューションであっと驚かせる衝撃の展開を用意してくれているはず…! 1話で思いっきりハードルが上がりましたけど、見事期待に応えてくれますよね?(笑)

ゲーム畑の脚本家である麻枝さんですが、今回はちゃんと“アニメ”していたのが好印象。Key作品は、平坦な日常で長~い助走距離を取ったあと、ラスト近辺で一気に加速してフライトするジェット機のようなストーリーが基本で、それは最後までプレイすることが前提のゲームシナリオとしては良くても、つまらなかったら途中で容赦なく切られるアニメシナリオには不向きでした。その辺の事情を鑑みて、Charlotteは初回から見どころやアクションを盛り込み、“掴み”を意識されていたのが偉い。

所々に散見された小ネタの多さもアニメ的な面白さの1つ。成績優秀者として羅列されたモブキャラの名前、完全に梶谷隆幸・大沼幸二・内川聖一・山本省吾じゃないですか!(笑) 何故こんなところにベイスターズの選手をもじった名前が!? ……と思ったら、主要キャラの名前も全員ベイスターズ絡みだったことに今更ながら気付きました。謎のベイスターズ推し。麻枝さんって横浜ファンだったの?

Charlotte クリアファイルセット

Charlotte クリアファイルセット

定価:¥ 756

カテゴリ:おもちゃ&ホビー

発売日:2015-08-09


ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. アニメならではの良さがあった楽しい一話でしたね。
    ハードルを上げすぎず、視聴を続けようと思います。

    乙坂家で意味ありげに空いた座布団、あれはお兄さんかお姉さんがいたのかな?

    • 麻枝准さんの作品で、初回にこんな掴みのある作品は初めてですよ。5話ぐらいまではつまらなくても我慢するつもりでしたが、これは嬉しい誤算。

      >乙坂家で意味ありげに空いた座布団、あれはお兄さんかお姉さんがいたのかな?
      最後の回想シーンを見る限り、兄がいたと考えるのが自然ですね。何かしらの能力によって、その記憶が封印されているのかも?

  2. 横浜ネタといえば、
    その手のネタで昔「わたもて」でクラスのモブ連中の名前が全員ロッテ選手(今江・清田・鈴木・岡田等)
    だったことがありました。
    チラ見してなんか気になってわざわざDVD借りてまで確認してマジだったので大爆笑した記憶が。

    • わたもてはロッテの選手から引用していましたよね~。あっちは舞台が千葉ということもあってロッテネタを放り込んでくるのも理解できましたが、Charlotteは何故横浜ネタなのか、全然わからないです(笑) 舞台が横浜?

  3. 私はKey作品をやったことありませんので、
    「Angel Beats!」の印象から全然期待してなかったんですけど、
    かなり面白かったですね~。

    まあ、期待値が低すぎた分面白く感じたというのもあるんでしょうけど。

    途中から重くなりそうですけど、
    そのあたりも含めて期待したいですね。

    • Angel Beats!は賛否両論激しかったですが、私は完全に「否」でした。最初からずっとつまんなかったですが、「俺が結婚してやんよ!」で完全にダメ。あんなに気持ち悪い鳥肌が立ったのはちょっと記憶にないです。

      >途中から重くなりそうですけど、そのあたりも含めて期待したい
      人死にが出てくるのは予定調和だと思って、覚悟しなきゃですね。麻枝准さんの作品にはやはり感動を求めていますので、泣ける作品であることを期待します。

  4. 名前だけは聞きつつどんなアニメか全く知らなかったのですが
    こ、これは何か凄く自分の好みっぽそう・・・!
    最近浅生さんと能力バトルの話してただけに(笑)。
    まだ1話だけかな?
    配信でまだ無料視聴できるようなので見てきまっす!

    • この先、能力“バトル”に発展するのかは不明ですが、麻枝准さんならいろいろ伏線張りながら能力を上手く活用して、最終的にはびっくりするような着地点を見せてくれるはず。そのびっくりがいい意味になるのか悪い意味になるのかわからないのが、悩ましいところですけど…。