僕だけがいない街第1話「走馬灯」雑感

母親が黒の組……何者かにいきなり殺害されたことに衝撃を受けていたら、主人公が突然小学校時代にまでタイムスリップしてしまうという怒濤の展開。初回から大変ストーリーの密度が濃く、驚きの連続でした。前評判通り、これは見応えあるアニメですね。ちなみに私が一番仰天したのは、視聴後Wikipediaを読んで知った“作者の三部敬さんの妻が兼処敬士さんである”という事実!

事件の前兆を感じ取ると、事件に遭遇する直前まで時間が引き戻される主人公藤沼悟の特殊能力。リバイバル(再上映)とはよく言ったもの。VTRのように繰り返し再生される日常のワンシーンの中から事件に繋がる違和感を探し出す作業は、まるでバラエティ番組のクイズコーナーのようなノリですが、不幸な事件を未然に防げるかどうかの瀬戸際であるため、楽しんでいられる余裕はまったくありません。

スーパーに買い出しに行った帰り道でも、不意にこのリバイバル能力は発動し、周囲を注意深く警戒する悟。結局このときは事件の芽を見つけられず終いでしたが、その場に居合わせた母親の方は、何やら女児を連れ去ろうとしていた不審な男の存在に気付いた様子

母親は未遂に終わった女児連れ去りと、過去に起きた連続誘拐殺人事件との関連を探っているうちに、ある重大な真相に辿り着く。しかし、その事実を息子の悟に伝える前に、自宅に侵入してきた犯人の手によって殺害される。突然の母親の死と殺人の嫌疑でパニックに陥る悟は、その場でリバイバルが発動。事件直前まで時間が巻き戻ったかと思いきや、なんと自身の小学生時代である昭和63年にまで時間は逆行していた

原作をまったく知らないため、「え~! この先どうなるの~!?」と普通に胸を躍らせていますよ。リバイバルの能力に目覚めた原因、クラスメイト2人が被害に遭った過去の誘拐事件、連続誘拐殺人犯の真犯人、母親を殺した犯人の正体、小学校時代まで大幅に時間が巻き戻された理由などなど、幾つもの疑問と今後の伏線になりそうな描写もいっぱい。これらのを納得行くカタチで綺麗に回収してくれるなら、名作になるのは間違いないでしょうね!

物語の導入としては最高の掴みを見せてくれたといっていいです。が、どうも100%話に集中し切れていなかった感があるのは、きっと……いや、確実にオカンから滲み出る名探偵臭のせい(笑) 母親の声が高山みなみさんだったので、どうしても“彼”の顔がちらつき、物語に集中できなかったんですよっ!!

高山みなみさんに恨みがあるわけじゃないですが、やはりこれだけ特定のキャラクターのイメージがこびりついてしまった声優さんだと、ノイズになってしまうのがネックですねぇ。推理モードに入った際の演技は完全にコナン君でしたので、とても真面目な話なのに笑いが堪えきれなくなってしまう。そのあと主人公が子供に戻ってしまった展開も、「やっぱりコナンじゃないか!」と思いましたし(笑)

声優さんの演技といえば、主人公の声も最初は「ん?」と引っかかりを感じていましたが、こちらは逆にすぐ受け入れられました。演じているのは俳優の満島真之介さんで、いわゆるアニメ的な喋りではない素人に近い声質。最初こそ引っかかりがあったんですが、次第に馴染んできました。漫画家志望の29歳フリーターというキャラクターを考えたとき、朗々としたイケメンボイスで喋られてもそれはなんか違うと思いますので、満島真之介さんの起用は当たりだったと思う。現状、アニメの声優さんでこういう演技ができる人がいないので、アニメ慣れしていない俳優さんを起用したくなるスタッフの気持ちもわかりますね。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. 「このマンガが凄い」のエントリで僕だけがいない街をお勧めしていた者です。(ジョジョシリーズでもちょくちょくコメントしてました。)
    放送から1週間経っても感想記事がなかったので「今期はきっと忙しくて一本だけにしたんだ仕方ないんだ」と自分に言い聞かせる日々でしたがこうして記事が上がって大歓喜です(笑)ありがとうございます。

    アニメ第1話は原作全8巻(予定。既刊は7巻)のうちの第1巻をまるごと詰め込んでいて驚きました。昭和63年に戻るところまでを導入部として1話で描きたかったのかも知れませんね。
    1巻まるごととなると当然結構なばっさりカットもあったのですが、そこまで無茶な感じもなくよくまとまっていたかな、と個人的には思います。
    JKとの距離がいきなり近くなったのと、オカン殺害で警察が来た時にいきなり逃げ出したのがアニメで初見の人にどう映るかが少し不安ではありますが。

    声についてはまああんまり良くない意味で思った通りではあったのですが、大人悟は現代では感情を込めるシーンでは違和感があったものの小学校時代では心の声(モノローグ)としてしか喋らないので、あの淡々とした語りは合ってるのかな、とも感じています。
    それに始まる前から分かっていて覚悟はしていたことなので、受け入れて前向きに楽しんだ方が良いですしね。
    アニメ自体の出来には満足なので、これからも安定して楽しみにできそうです。

    • 白柴さん改めてよろしくお願いします。1話からいきなり引き込まれた作品ですから、原作ファン視点からいろいろ意見を聞かせてもらえると嬉しいです。

      といいつつ、第1話から感想溜めてしまってすみません。1話はほぼリアルタイムで見て興奮していたんですが、ちょっとこの1週間感想を書く余裕がなくて。いや、多忙を言い訳にしたくないですが…。

      >アニメ第1話は原作全8巻のうちの第1巻をまるごと詰め込んでいて驚き
      えぇー! マジですか。1話の密度がすごすぎると驚いていましたが、本当にぎゅうぎゅうに詰め込んだ上での1話だったとは。JKと家で飯食うスピードと通報受けた警察に囲まれるスピードの速さには、確かに違和感ありありでした(笑) そっか、原作はちゃんとそこが不自然さなく描かれているのね。

      ノイタミナは枠の都合でバッサリとカットしてきますからねぇ。坂道のアポロンでもラストの1巻半を1話にぎゅうぎゅうに詰め込んだり…。それは大いに不満でしたが、僕だけがいない街は上手いこと取捨選択して、ある程度原作ファンにも納得の1話に仕上げてきたのはよかったです。

      >(悟)小学校時代では心の声(モノローグ)としてしか喋らないので、あの淡々とした語りは合ってる
      演技自体はちょっと棒なのは否めませんけど、声質に関してはぴったりだったと思います。本来、本職の声優さんは演技がかったイケメンボイスだけでなく、こういった自然な素の喋り方も使い分けて演技できるようにしないとなぁ。それならわざわざ畑違いの俳優さんなんかに主役取られることもないのに。