僕だけがいない街第11話「未来」雑感

八代の罠にかかり、車ごと水底に沈められた悟君は無念のゲームオーバー。ここでリバイバルが解けて再び現代へと戻されるのかと思いきや、昏睡状態に陥ったまま15年という途方もない年月を過ごすことに…。一命こそとりとめたものの、過酷な人生を余儀なくされてしまいました。

悟に憐憫の情が沸くのは当然ですが、母親の苦労にも胸が締め付けられます。悟が意識不明の間の15年、いつ目覚めてもいいようにと毎日4時間のケアを欠かすことなく献身的に続けていたというのですから…。肉体的にも精神的にも想像を絶する大変さがあったでしょうに、ホント偉大なお母さんですよ。

15年ぶりに悟が意識を取り戻したことが知れ渡ると、かつての友人であるケンヤと広美がお見舞いに来てくれた。雛月加代も虐待から救い出したとき以来の再会。なんと加代はこの15年の間に結婚しており、一児を設けたのだという。更に衝撃が走ったのは、この赤ちゃんの父親、つまり加代の旦那はあの広美だったこと! 悟はさらっと流していましたけど、私はびっくり仰天ですよ!! ま、まさか!! あ、あの広美と!!?

事故で意識失っている間に友達に恋人寝取られるなんて、完全に君が望む永遠状態じゃないですか(笑) 不慮の事故で昏睡状態に陥った遙が3年後に意識を取り戻したとき、恋人の孝之君は友人の水月と付き合っていました的な。ことあるごとに「だいたーん!」と囃し立てていたあのおかっぱ野郎が、一番大胆なことしでかしやがって! まったく、これだからショタって人種は油断ならない!!

しかし、加代が広美と結婚して子持ちになっていたという激動は、悟の眠っていた15年の歳月の重みを強く感じさせてくれるものでした。リバイバルのせいでやや時間の感覚が希薄になっていて、15年も寝ていたというショックがイマイチ伝わってこなかったんですが、この1つの事実のおかげで、改めて15年の長さを痛感させてくれましたね。演出としては、これ以上ない効果を発揮してたといえます。

悟ではなく広美と結婚した加代はシビアというか、下手すりゃ恩知らずとも受け取られかねない行動ですが、本来感謝と愛情はまったく異なる心の動き。いくら命を助けられたからといって、その相手を異性として愛する必然性も必要性もありませんから、ここで加代が咎められる理由は何らありません(そもそも悟と付き合っていたわけじゃないですし)。

毎度クッパに浚われ、何度も何度もマリオに助けてもらっているピーチ姫も、マリオを男として愛さなくてはならない理由はないってことですね~。マリオには目一杯感謝を示しつつ、伴侶となる男性は別のイケメンを捕まえればいいんです(笑) 女性を助けたら自分のことを好きになってくれるなんて、とんだ思い上がり。

旧友たちとの再会に刺激を受けた悟は、社会復帰目指してリハビリに余念がない毎日。すると今度は、かつての担任教師である八代学が面会に訪れる。言うまでもなく、彼は悟を病院送りにした張本人ですが、悟は記憶の混濁から八代が犯人である事実を思い出せず、ただ元教師が訊ねてきてくれたという認識だけ。すぐそこに危機が迫っているというのに、本人はまったく気付いていなくてヤキモキ。

「八代。俺の記憶は戻っているぞ…!」

かと思いきや、実はしっかり八代のことを憶えていた! 殺したいほどの仇敵を目の前にして、恨みや怒りの感情をおくびにも出さず、ずっと無知を装って気付いていないフリをしていた悟がすごすぎる!! この瞬間は鳥肌が立つほどに格好良かったです!

しかし、八代に連れ出された病院の屋上で、2人しかいないこの状況で、記憶があることを本人に明らかにしてどうするつもりなのでしょうか? 未だ車椅子の悟が暴力に打って出るわけにも行きませんし、八代にぎゃふんと言わせる術がないような…。どのような逆襲に打って出るのか私には皆目見当がつかないだけに、次回最終回、刮目して見届けます。

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  1. 原作・単行本で追いかけていて、アニメは見てないから、感想を読んでいて衝撃の展開にビックリしました!

    単行本だと、まだ真犯人のことを思い出していないのでヤキモキしている最中です…

    • あ、原作とは展開が異なっているんですか。原作を相当圧縮しているらしいので、最後はかなり駆け足になることを覚悟していましたが、アニメではラストそのものを変えてくるつもり? 原作(コミックス)よりもアニメの方が先に終わってしまう以上、ラストがアニメオリジナルになるのは仕方ないかな。アニメはアニメで満足いく終わりであればいいですが。

  2. 加代が結婚出産していたというのは本当に衝撃でしたねー。
    感情的にはやっぱり悟とくっついて欲しかった気持ちはどうしてもありつつ、悟の心情を考えれば、やっとひとりぼっちから救い出した加代がまたひとりぼっちで15年間待たされるより良かったのだろうとも思ったり。
    何より本当は死ぬはずだった加代(と広美)が生きて子供まで産まれたというのは単純に感動するものがありました。

    >どのような逆襲に打って出るのか
    単行本派の私はこの先知らない(というか展開改変されてる)のでネタバレ気にせず予想しますが、記憶が戻っているのに八代と二人で話そうと持ち掛けた点と、その直前に通行人を見て何かに気付いた様子から、実はケンヤが潜んでいると予想します!

    >リバイバルが解けて再び現代へと戻されるのかと思いきや
    リバイバル中に起こったことは現代でもしっかり影響されるので、リバイバルが解けてもやっぱり寝たきりの未来だったので、早く目覚めた分こっちのがマシだったかもですね。

    • 加代が広美と結婚して子供がいたことを知っても、別にショックを受けるわけでもなく、素直に祝福できていた悟は大人だなぁと感じました。

      というより、そもそも悟にも加代への恋愛感情はなくて(あったらロリコンですから)、ただ純粋に彼女の身を守りたい一心での行動だったんですね。途中までラブコメ展開を見せられたものですから、すっかり私もその辺誤解してしまいましたが。

      加代が人妻となってしまった今、悟はもう一人のヒロイン候補である愛梨といい関係になるってことかな? こっちはこっちで、くっついたらロリコン扱いされてしまうのが残念なんですけど(笑)

      >直前に通行人を見て何かに気付いた様子から、実はケンヤが潜んでいると予想
      確かに今の悟が八代をやり込めるには他力を用いる他ないので、ケンヤと結託している可能性は大。屋上に誘い出したのは八代の方なので、ケンヤとどう示し合わせているのかは気になりますが。まぁ、八代が誘わなかったら、「マスコミが嫌だから屋上で話そう」と悟が切り出していたでしょうか。

  3. メタ的に作品を見ると、悟が助けたヒロイン=かよを悟に報酬として与えるのか、悟を助けたヒロインに、悟を報酬として与えるのか、となってきて、途端に愛梨がヒロインになって良かったと思える不思議…と、下らない冗句は置いておいて、作品の締め方としても愛梨がヒロインの方が綺麗な気はするんですよね。

    ループ物の締めと言えばやっぱり世界を変えた主人公と世界が変わった事によって主人公の事を覚えていないヒロインとの再会だと思うんですよね。それで行くと、現代で悟と関わり続けた愛梨がヒロインにおさまるのが無難かな、と。

    • 後は作品としてのカットも大きいですね。アニメでは1話で終わりましたが、最初のリバイバルまでは原作だと1巻使って愛梨との交流を描いた愛梨編とも言える内容になっていて、リバイバルで過去に戻っても割と悟が愛梨に言及することは多いんです。

       この辺をカットしてかよの描写に注力して、かよが悟のヒロインだと視聴者に認識させたうえでかよの結末は原作通りにしちゃったもんだからそりゃあ視聴者も混乱しますよ…。

    • 愛梨の印象に関しては、原作既読組とアニメ視聴組で大きく隔たりがありそうですね。現代で悟と関わり続けたといっても、特に悟と愛梨の間に色恋沙汰はなかったわけですし、私としては愛梨がヒロイン扱いされていること自体違和感。詳しくは感想の総括で語りますが、愛梨をヒロインとして扱うのであれば、もう少し彼女との間に物語を描くべきでしたね。

      >原作だと1巻使って愛梨との交流を描いた愛梨編とも言える内容
      作品としての“掴み”を考えて、1話ラストを昭和63年へのリバイバルで締めたかったから駆け足で進めたのはわかりますが、あとからでもその“愛梨との交流”を入れてくる余裕はなかったのかな? ちなみに、実写版の映画を見ても、やはり愛梨への思い入れが理解できませんでした。演じていたのが有村架純さんだったから見た目は可愛かったですけど(笑)

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。