僕だけがいない街第10話「歓喜」雑感

常に中西彩の身近にいられるよう親しくなるとっかかりを見つけたい。思い切って直接話しかけ、友達になろうと試みたものの、ちょっと大人びてマセている彼女は、子供っぽい男子を見下して相手にしてくれない。

すると、自分たちのアジトをバカにされたことに憤慨する友人の1人カズが、「アジトは男のロマンだ! 暇ならアジトに来てみろ! そうすりゃわかる!」と声を荒立てる。このぶっきらぼうな男らしさが彼女のハートに響いたのか、彼に惹かれてアジトへとやってきてくれた。まさかカズにロマンスが訪れるとは予想外でしたが、これで結果オーライ。

広美・彩の安全を確保し、誘拐事件の発生を未然に封じ込めることに成功したと言えるのですが、今度は給食費紛失騒動以降ひとりぼっちが続いている美里が気掛かり。ターゲットを失った誘拐犯が、代わりに美里に毒牙を向ける可能性は否定できない。美里の動向を注意深く見守っていたら、ほんの一瞬目を離した隙に彼女は忽然と姿を消してしまった。

同時に目の前で走り出したゆうきさんの軽トラック。もしや彼女は車で連れ去られたのか? 不安になった悟君は、担任の八代の力を借りてすかさず車の行方を追う。車中で八代に事情を説明しながら、近辺に誘拐犯がいる恐れがあることを打ち明けると、八代は静かに口を割り始める。自分こそが誘拐を目論む犯人なのだと…。

というわけで、犯人は八代学でした。ううーん、こう言っちゃなんですけど、結構普通…でしたね。容疑者その1として最初に怪しんでいた彼が、結局そのまま犯人だったわけで。

でも、意外性がないようで逆にあったとも言えます。八代が怪しいと思いつつ、それじゃいくらなんでも普通すぎるだろうってことで、いろいろ考えを捻りながら「ケンヤたち子供が結託して誘拐を行ったのでは!?」なんて考えに陥っていましたから。そのあとも深読みを留まることを知らず、藤沼悟犯人説という荒唐無稽な推理まで行き着く羽目に(笑) 今にして思えば見当違いすぎる推理で恥ずかしい限りですよ。

犯人の正体が八代であったことに意外性を感じたのは、彼を一度容疑者から外してしまったせいもあります。加代を助けたあとの「勇気ある行動の結末が悲劇であっていいはずがない」というセリフに感銘を受け、悟君自身も八代に父親像を重ねるほどでしたので、私の中ではすっかり“いい人”という認識で見ていまして…(ちょろい)。

更に八代の車のダッシュボードに隠されていた秘密。一瞬犯行道具が出てくるかと思わせて、大量のキャンディーが出てくるというコミカルな秘密が微笑ましく、その時点で八代が犯人だという可能性を頭の中で排除していました。最初にわざと疑わせて、途中で疑いを消すのはミステリにおける常套手段だというのに、まんまと乗せられてしまって悔しい!(笑)

「すげぇ! この発想はなかった!」という驚きは残念ながらなかったですけど、捻りすぎて無理があったり、絶対誰も正解しない意地悪な答えだったりするのではなく、ちゃんと整合性を保ちながら、単純なようで読みを外してくる犯人像でしたので、まぁ良しとしましょうか(予想が外れたのに偉そう)。ですが、八代は教師として尊敬できて、単純に好感が持てるキャラでしたから、犯人だったのはやっぱり寂しいかな…。

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  1. というわけで犯人は八代先生でした。
    当時ネット上の予想でも八代犯人派と否定派で真っ二つでしたね。
    まあ、「八代怪しい!」vs「怪しすぎて逆に無い!」での真っ二つだったので怪しいことには変わりなかったのですが(笑)

    >八代は教師として尊敬できて、単純に好感が持てるキャラ
    八代は殺人犯ではありますが、「勇気ある行動の結末が悲劇であっていいはずがない」というセリフは彼の本心でもあって、原作では車中の自白シーンで「加代の件の時は偶然だと思ったんだ。君の頑張りに教師として応えるべきだと思って、君をバックアップする態勢にシフトした」というセリフもあります。
    殺人嗜好を除けばそのまま普通にいい人なんですよねぇ…

    • あはは。ネットの論争でも、怪しい派と怪しすぎて逆にない派で真っ二つだったんですか。私は八代の怪しさは目眩ましだと見ていましたが、すっかり予想が外れてしまいましたね~。

      てっきり某推理漫画のように、「犯人はお前だ!」的な見せ場があるものだと思っていたので、予想しないタイミングで犯人が自白してきたのも、ちょっと「あれ?」と肩透かしを感じる一因でした。

      >「勇気ある行動の結末が悲劇であっていいはずがない」というセリフは彼の本心
      うーん、そうなんですか。それを聞くとますます複雑な思いに駆られます。思えば、いくら殺人犯であっても人格総てが否定されるものではなくて、教師として有能であっても何ら不思議ではない。彼の動機はまだはっきりと理解できていませんが、本当に悪事に手を染めているのがもったいないキャラですね…。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。