僕だけがいない街第9話「終幕」雑感

加代を保護して3日目、いよいよ加代の母親と直接対峙して決着をつける正念場。大義はこちらにあるといえど、まともに話が通じる相手でもありませんので、首尾良く説き伏せることは容易ではなさそう。悟は如何にして勝利を収めることができるのでしょうか。

まずは加代の母親を対話の場に立たせないと文字通り話にならなかったのですが、そこは加代を使って引きずり出すことに成功。悟は同行させた自身の母親に親としての責任問題を説いてもらうも、案の定加代の母親はそんな言葉に聞く耳持たず。すると、次は学校の教師と児童相談所の職員を立ち会わせて、公的な第三者視点で虐待問題を表面化。法的なアプローチから追い込もうとします。

立場が危ういことを自覚した加代の母親は感情的にいきり立つ。そこで最後の切り札として彼女の母親、つまり加代の祖母を連れ出す。この実母の泣き落としが決め手となり、遂に加代の母親を籠絡

感心すべきは、事態の推移を冷静に見極めながら、次々と効果的にカードを切っていく悟の冴え渡る戦術眼(笑) 職員や母親をいきなり矢面に立たせるのではなく、然るべきタイミングで投入させて行ったのが勝因でしたね~。どこまで悟のプランで動いていたのかはわかりませんが、十重二十重の対策を講じて、盤石の態勢を整えて望んだ説得は見事だったとしかいいようがございませんよ。

子供が悪い大人を懲らしめる話は古今東西数多く存在していますが、子供が大人に説教したり、子供が大人を裁いたりするのは土台無理のある話であり、そんなことで大人をやり込めると思い込んでいること自体、子供的な発想じゃないかと思います。もし子供が悪い大人を懲らしめる方法があるとするなら、こうやって“周囲の大人の力を借りる”ことが唯一の方法でしょう。

悟はそのたったひとつの冴えたやりかたで、事態をスマートに解決して見せたのが素晴らしい。ついつい加代の前で粋がって、自分の力を誇示したくなるところですが、大事なところはちゃんと大人に頼って任せた。「加代の命を守る」という大目的を見誤らなかったことが偉い。さすが29歳は物事の道理が見えています。加代の誘拐という強行手段に打って出たときは、短絡的な発想だと見下していた節もありましたが、私こそ考えが浅かったと深く反省している次第です(笑)

母親が加代を虐待していたのは、どうやら元旦那のDVに起因されたものであった模様。だからといって肯定するわけでも同情するわけでもないけれど、誰かを傷つける行いは、往々にして被害者意識がもたらしてしまうもの。なんともやりきれない思い。

加代の虐待事件はこれにて一件落着の様相ですが、まだ誘拐殺人の事件そのものは何ら解決に至っていません。悟は息つく暇もなく、雛月加代の次にターゲットとなる恐れのある中西彩・杉田広美の両名の誘拐阻止に動き出すことに。

別の小学校に通い、面識のない中西彩を守るのは加代以上に困難になりそうな予感。まずはなんとかお近づきになれる方法を思案する悟ですが、傍目から見ると、加代がいなくなった途端すぐ別の女に粉をかける節操のない男に見えるのがなんとも(笑)

友達の広美は、下校中も常に密着して徹底ガードに務める。すると、広美が何かを勘違いし始めて、悟に好意を示しつつあるのがヤバイ!(笑) 女子よりも男子をガードする方が楽だろうと高を括っていましたが、まさかこんな落とし穴があろうとは! なんとか彼に変な気を起こさせることなく、誘拐犯の魔の手から防ぐ方法はないものか…。そっちのルートに入ると話がややこしくなるんで!

ABOUT

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
この記事のトラックバックURL