僕だけがいない街第8話「螺旋」雑感

加代を匿うバス内に不意に訪れた深夜の侵入者。緊張感で息を飲みましたが、幸いにも加代の存在には気付かずそのまま去って行った。しかし、侵入者の残したリュックの中には、拘束に用いるロープ、口封じのラップ、凍死させるための霧吹きなど、明らかに誘拐犯のものと推察される道具の数々…。未だ自分がまだ事件のループのまっただ中にいることを知り、戦慄が走る

生々しい犯行グッズが露わになった瞬間は、私もかなりドキッとしました。誘拐犯を追い続けるストーリーながら、今までその誘拐犯の姿は具体的には見えていなかったんですよね。それが今回、初めて誘拐犯の存在が示唆されたので、一気にリアリティが増大して恐怖が呼び起こされた感じ。

とりあえず、深夜に怪しい人物が出入りするバスに、加代を留まらせるのは危険だと判断。別の場所に避難させる必要が出てきた彼女を、悟は思いきって自宅へと招く。突然行方不明中の少女を連れてきた息子に対し、悟の母親は込み入った事情を問い質すことなく、友達のためを思ってやっていることだと信じて「でかした」と鷹揚に受け入れる

この行動を理解ある母親だと賞賛していいのかはわかりませんが、悟にとって誰よりも頼れる心強い存在であるのは間違いない。正直、児童虐待というのは子供の手には余る大きな事件ですから、自分たちだけでどうこうするのではなく、こうやって大人(母親)に事情を理解してもらい、味方についてもらうのは欠かせないプロセスの1つであったと感じます。

朝方、母親が用意した朝食を見て、ボロボロと止めどなく涙が溢れる加代。それを見て、私も思わず潤んでしまう。訳ありの自分を快く受け入れてくれた喜びと同時に、普段の食卓では見ることのできない愛情のこもった母親の料理に、感極まるものがあったんでしょうね~。

「俺はこの瞬間を、ずっと待っていた気がする」

感動というと、加代が悟に誕生日プレゼントの手袋を渡すシーンでもグッとくるものがありました。「プレゼント、明日渡すね」という言葉を残して手渡されることのなかった手袋。完成前に無残にゴミ袋に包まれ捨てられていた手袋。一度絶望を経てプレゼントされた手袋だけに、その重みは察してあまりあります

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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