僕だけがいない街第7話「暴走」雑感

殺人犯として逮捕される最悪の結果がもたらされた直後に、再び昭和63年へのリバイバル。待ち望んでいたセカンドチャンスの到来ですが、これがラストチャンスになるやもしれない。本人も「これが最後のリバイバル」だと覚悟の上で、今度こそしくじるわけにはいかないとねじを巻き直す。

1回目のような中途半端な改変では、歴史は大きくは変化しないことは学習済み。忌まわしい結末を避けたいのであれば、根本を覆すようなドラスティックな過去改変を行う必要があり、そうしてようやくα世界線からβ世界線へと移動することができる……この辺の歴史改変の定義は、Steins;Gateの世界と同一であると見ていいのでしょうかね?

悟が思いついたそのドラスティックな手段とは、虐待の元凶である“加代の母親を殺す”というもの。確かに彼女を物理的に排除できれば、歴史は大幅に変革されて、加代も救われる可能性が大。しかし、悟が実行に移そうとしたその瞬間、悟を心配して後をつけてきたケンヤにすんでのところで阻止される。

事態のおおよそを理解しているケンヤは、「もっと拙いのはお前が裁かれていなくなることじゃないか」と諭す。冷静さを取り戻し、母親殺害を思い直した悟が次に閃いたのは、“雛月加代を誘拐する”という手段

先に加代の身柄を確保して虐待から遠ざけようとするアイディアは確かに妙案のように思えるのですが、“加代が誘拐される”という歴史を自らなぞってしまうことに、私は大きな危うさを感じます。これでは加代を虐待から守ることはできても、“誘拐されて殺される”という結末までは変えられないような気がして…。

そうなった場合、加代を誘拐殺害した容疑者がゆうきさんから悟に移り変わるだけで、状況としてはますます最悪なものに。加代をずっと誘拐し続けることは不可能なんですし、一時的に加代の命を長らえさせたところで、虐待の根本的な解決がなされるわけではありません。そして、真犯人である誘拐犯も依然として野放しのまま。ただ加代を保護するだけで状況が好転するとは、どうしても思えないですねー。

結局、悟が望む未来を実現させようと思ったら、虐待の根絶&真犯人の究明の2つの命題をクリアしない限り、無理なんじゃないのかな? 求められるのは、加代を加害者の手から守ろうとする発想ではなく、加代を脅かす加害者を取り除く攻めの発想。弾道ミサイルが発射される前に、基地を空爆することが真の防衛だってことですよ!(笑)

だから、当初の“加代の母親殺害案”の方が私としては賛同できました。さすがに殺すのはヤバイですけど、彼女の虐待の実態を白日の下に晒して、社会的な制裁を与えることが事件解決の方向性としては正しかったんじゃないかな~と。

私はすっかり「2回目のリバイバルも失敗に終わった」という前提で話していますけど、実際どうなるんでしょうね。犯人はケンヤ(子供たち)だと疑っている自分としては、加代を匿っている場所を彼と共有してしまっていることにも不安が…。二度目のチャレンジだというのに、まだちょっと悟君は危機感が足りていないような。

容疑者その9 藤沼悟 怪しさ☆☆☆☆☆☆


今回、悟自らが誘拐に手を染めてしまったことで、(私の中で)浮上してきた藤沼悟犯人説。何度リバイバルを繰り返そうと誘拐殺人事件そのものを歴史から消去することが不可能であると悟った彼は、せめて加代の命だけは救い出したいと、自らが誘拐犯となる選択をした。あの赤い眼をした謎の男は、もう一人の自分だったんです!

え? いくら加代を助けるためでも、母親を殺すことはないだろうって? ん、ん~と、つまりあれは偽装だったんですよ! リバイバルを誘発させ、過去に戻って加代を助けさせるために、母親が殺されかたように装った! 最初のお前を騙せ! それがシュタインズ・ゲートに到達するための条件なのだから!

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。
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  1. 僕だけがいない街 #07 「暴走」

    == 彼女を救うラストチャンス ==
     どうも、管理人です。そんなわけですいません、少々予定が変わりつつも、今頃更新してやがってます。やっぱり金曜日の夜は鬼門。

    === 悟:「戻れ…

  1. 私は今回の「今からお前を誘拐するけど、いい?」のシーンが結構好きなので、それだけでも10点でした(笑)

    >結末までは変えられないような気がして
    この作品は確かにシュタインズゲートに似ているのですが、だからこそシュタインズゲートの世界設定と比較して考察するのはミスリードに繋がりやすいと思いますよ。
    少なくとも、シュタインズゲートのように「運命が収束する」という力が働く世界ではありません。
    なので加代の死亡する時間帯がはっきりしているんだからその時間に張り込めば良いのでは…と私は思ったりもするのですが、そこはリバイバルの特性上、次の機会があるとは限らないので実験的なことはできないのかな。

    >虐待の根絶&真犯人の究明の2つの命題
    今回の悟の誘拐は、「警察を動かそう」「加代の母親が警察に通報せざるを得なくするか」というセリフがあるように、加代を守りながら警察を強制的に介入させようとする作戦です。
    加代の母親を排除する策は止められ、悠長に通報等正攻法でいこうにも加代の死亡はもうその当日ですしね。
    悟は前話の澤田さんからの情報を元に「日中の加代を完全にガードしても夜中に虐待で物置に閉じ込められていれば加代は誘拐されてしまう。ならまずは無理矢理にでも加代への虐待を明るみに出して止めなければならない」と考えて今回の行動に出ています。
    なので多分「彼女の虐待の実態を白日の下に晒して、社会的な制裁を与えること」という方向性には沿っていると思いますよ。

    • 「僕街」の世界では結果が収束しないんですか? 最初のリバイバルでも加代が殺されてしまったのが「運命」によるものでないとするなら、単純に彼女を救出するための必要不可欠なフラグを折り忘れていたってことかなぁ。どちらにせよ、虐待という問題の根本的解決を見ないと、やっぱり加代の死は回避できなさそう。

      僕街とSteins;Gateが別物なのは当たり前なのに、どうしても設定を混同して誤解を招いてしまいますよ~。私の提唱する藤沼悟犯人説ももろにその影響ですから(笑)

      >加代を守りながら警察を強制的に介入させようとする作戦
      つまり、誘拐は虐待からの保護が目的ではなく、虐待の事実を明るみに出すための強攻策だったというわけですか。すみません、その辺は私の考え足らずというか、理解不足だったみたいです。「騒ぎを起こす」という意味が警察の介入を目的としたものなのは、ちゃんと話を聞いていれば普通にわかることでしたね。

      この作戦の勘所は、悟君が引き起こした誘拐事件と、加代の母親の虐待を首尾良く結びつけられるかどうかだと思いますが、7話ラストでバス内に侵入してきた不審な男の影がやっぱり気になる…。誘拐事件が騒ぎになる前に加代にもしものことがあっては、まさしく私が想定していた通りの最悪のケースに。一体どうなるんだろう。早く8話の放送を!