僕だけがいない街第5話「逃走」雑感

万難を排して加代を助け出したつもりが、健闘虚しくその死を回避することは叶わなかった。第2の誘拐事件(中西彩)発生も防ぐことはできず、総ては18年前に起きた悲劇の繰り返し。どんな手立てを講じたようとも、世界はアトラクタフィールドの収束を避けられないのか。無情な現実を前に失意に打ち拉がれる。

“ 加代がまだ生きている”という一縷の可能性もまだ信じていただけに、母親の側で横たわる惨たらしい虐待の傷痕残る少女の姿を見て愕然。やっぱり加代の死は疑いの余地ないか…。こうなりゃ、母親にはきっちりと法に照らし合わせた相応の報いを受けてもらわなければ。

容疑者その4 加代の母親の情夫 怪しさ☆☆☆☆


加代の死因は、虐待による過失致死であるのが有力。加代が死んで数日も経たないうちに、娘の作りかけの手袋をゴミと一緒に捨てる神経が本当に恐ろしいです。問題は、その後に続く第2第3の誘拐事件に加代を殺した母親は関与しているのかという点。一見すると、母親が他の子供を誘拐する理由が見当たりませんので、以前にも「連続誘拐殺人事件と雛月加代の死は別件かも」と推理しましたように、加代の死と誘拐事件は分けて考える方が正しいかな。

敢えて母親が誘拐にも関与している線で考えると、その動機は警察の捜査の攪乱、はたまた死体遺棄現場を目撃されたことの口封じ? いずれにせよ、その場合の実行犯は母親ではなく、情夫の方でしょうね。悟の母親を殺した犯人も明らかに女性ではなかったですし。

容疑者その5 西園先生 怪しさ☆☆


悟が加溶媒と先の店長と何やら意味ありげな会話を交わしていた「西園先生」と呼ばれる男。議員バッジと「市議会でも時折話題になる案件の1つだった…」というセリフから、どうやら市議会議員であるよう。店長の父親と懇意にしている人物らしく、ずっと顔が伏せられたままだった時点で怪しさ抜群。事件に関与を持つ重要なキーパーソンであるのは間違いないでしょうが、真犯人かというと微妙? 少なくともその場合は、私たちの知っている「誰か」である必要があります。ノックスの十戒にも「犯人は物語初期に登場している人物でなければならない」とあるんで。

容疑者その6 子供たち(ケンヤ・ヒロミ・オサム・カズ) 怪しさ☆☆☆☆☆☆☆☆


何気に私が一番真犯人だと警戒しているのは彼ら! 子供を誘拐する上での最初のハードル、それは子供に警戒心を抱かれないこと。そういう点では、最も子供から警戒心を持たれない相手は、同じ子供であるのは間違いない。小学生同士が結託して、同じ小学生を拐かすことは不可能じゃないと思います。アジトという身を隠せる場所もありますし…。

まぁ、動機は何なんだと言われると答えに窮してしまうんですが、敢えて言うなら“ストーリー的に一番ありそう”だから(笑) そりゃ現実的には先生や情夫の方が容疑者として怪しいに決まっていますけど、彼らが犯人だったとしてもお話的にはあんまり面白くなさそうですし~。「誘拐犯は小学生だった!」の方が話としてのインパクトはありますよね?

加代救出失敗後、リバイバルが解けて現代まで戻ってきてしまった悟。ここでは再び殺人容疑で警察に追われる逃亡犯の身。這々の体で逃げ回る中、手を差し伸べてくれたのはバイト先の店長! 自分のマンションに匿わせてくれて、温かい食事まで用意してくれるなんて店長マジいい奴! と思わせた直後に、裏で速攻警察を手引きしていたのは笑えました(笑) くそぉ! 5秒ぐらい信じていたのに!!

再度這々の体で逃げ回る中、手を差し伸べてくれたのはバイト先のJK(愛梨)! 自分の下宿先に匿わせてくれて、バイト先のピザまで持ち帰ってくれるなんてJKマジいい奴! と思わせた直後に、裏で警察を手引き……することもなかったです! ずっと信じていたよ!!

ここで改めて連続誘拐殺人事件を振り返るシーンがありましたが、なんと“雛月加代の死亡日時が3月3日に変化していた”という事実が判明。これは、この回唯一と言っていい福音。即ち、過去の改変は完全に不可能なのではなく、未来の世界においても影響を与えられるという証明に他なりません。なんとかしてもう一度リバイバルを発動させ、再び昭和63年にまで遡ることができれば、今度こそ加代を救い出すことができる…!?

ようやく明るい兆しが見えてきたかと思ったら、暗躍する真犯人の手によって、協力者の愛梨が家もろとも焼き殺されそうになるという衝撃のクリフハンガー! ええ~! またこんな強烈に次回が気になるところで終わりやがって!(笑) 原作をどんな風に再構成しているのか知りませんが、ホント毎回次の話への引きがすごすぎますね~。

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  1. 出来には文句ないんですけど、ちょっと尺が不安になってきました…
    1巻を1話で詰め込んで、2巻を2話3話4話でじっくりやって、5話で3巻の半分。全8巻なので残り5巻と半分あるんですよねえ…後半圧縮できそうなところが確かにあるけどそれにしたって。
    それと今話は1話で原作を端折った分のフォローもするのかなと思ったら全くしてなかったのでちょっと状況に不自然さが残っていたのが残念でした。
    一番言われてたのが「何故警察から逃げる必要があるのか?」というもので、浅生さんは触れておられませんでしたが一応補足させてください。
    アニメ1話では家に帰る途中で犯人と思しき人物とすれ違っていましたが、原作では死体発見時に部屋の外に犯人が隠れ潜んでいるのを見つけ、追い掛ける(ここで大家に目撃される)も見失ったところでパトカーが自分のアパートに向かっているのを見て「殺人現場から逃げ出す自分」を演出されたことに気付いて、周到な犯人によって罠に嵌められた(おそらく他にも自分に不利な証拠を揃えられているのではないか)と考える、というシーンがあります。
    それプラス、ユウキさんの件を
    冤罪だと信じている悟にとっては警察は信用できない存在だというのもあって、警察に事情を説明するより逃げる道を選んだ、という流れになっています。
    アニメではアパートでリバイバルしたのに戻ってきたら何故かどこかの路地にいたのもこの改変の影響ですね(笑)

    >娘の作りかけの手袋をゴミと一緒に捨てる神経が本当に恐ろしい
    このシーンはこれでショッキングだったんですけど、これも原作1巻の回想で同じシーンを昔見ていたことが描かれていて、その時は「ゴミ袋にはいまだ生死も定かでない娘の服が入っていた」と述懐されていて(ちなみにアニメでも2話の加代の文集を読むシーンで映像だけはチラッと出てたりします)、今回の「加代の服+編みかけの手袋」を見た時に、リバイバルして努力した結果が「+編みかけの手袋」で端的に表されていてうわあってなったのを覚えています。

    そして今回、推理部分にもコメントしたいことがいろいろあるけど藪蛇になりそうで怖くて何も言えない!

    • 残り5巻と半分ってことは、あとはほぼ1話1巻ペースですか。アニメだけ見ているとあんまり尺を詰め込んでいる感がなかったんですが、実際にそんな進んでいなかったんですね~。尺がキツイなら、店長の自宅に招かれるくだりはいらなかったような? いや、面白かったですけど。

      今のところせっかくいいペースできているんですから、後半変に駆け足になってしまうと残念ですよ。2クールに分けてやれば良かったのに。

      >何故警察から逃げる必要があるのか?
      自宅に帰って母親が死んでいて、いくらパニックになったとしてもその場から逃げ出すってことはまずないので、かなり不自然な行動であったのは間違いないです。

      犯人の狡猾な罠によって逃亡犯に仕立て上げられたというのはとても大事なポイントだったと思いますので、そこは動かさないで欲しかったですね。アパートの階段で犯人と擦れ違うのと、殺人現場から逃げ出す犯人を追いかけるのって、尺的にはそんなに変わらないはずですし…。わざわざ変更する意味あったのかなと思います。

      >アパートでリバイバルしたのに戻ってきたら何故かどこかの路地にいたのもこの改変の影響
      あ、なるほど(笑) 視聴中は特に気にしていなかったですが、言われてみると変な話ですね。

      >ゴミ袋にはいまだ生死も定かでない娘の服が入っていた
      おおぅ…、恐るべきクズですね…。今のところ、この母親には怒りしか感じられないのですが、彼女にも同情できる余地はあるのでしょうか…。

      >推理部分にもコメントしたいことがいろいろあるけど藪蛇になりそうで怖くて何も言えない!
      お気遣いどうもありがとうございます(笑) 多分、的外れすぎる推理にもの申したくなるんだと思いますが、そこはご勘弁を~。まぁでも、この作品はミステリの部類ではなさそうなので、フーダニットはそれほど重視されるべき要素ではないのかもしれませんね。

ABOUTこの記事をかいた人

なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。