ボールルームへようこそ第21話「扉」雑感

2クール目に入って、緋山千夏が新しいヒロインになったと今まで思っていましたが、思い違いでした。千夏は新しい主人公だったんですね!

清春のストレッチで全身筋膜リリースされて、力加減を失い、ふらふらと足下が定まらない。多々良君としては、大事な試合でこんな状態にさせられてたまったもんじゃありませんが、フォロー側の千夏はもっとたまったもんじゃない。今までとまったく違うストライドで振り回され、このままでは確実にチェックを落として敗退。そんな悪い予感に覆われた千夏は、自らもリードを手伝って体勢の立て直しに躍起になる

社交ダンスにおけるリードは、「ドアを開けて女性を導くエスコート」と一緒であると、もはや千夏への愛情を隠そうとしなくなってきた明が語っていました。ジュニア時代に千夏が行っていたリードは、まさにレディファーストを弁えた完璧なもので、素敵な場所へと誘ってくるワクワク感に満ちたものだったという(明は千夏にガチ惚れなんで、欲目もあるかもしれませんが)。

対する多々良君のリードは、子供そのもの。経験のなさから女性をリードするという概念すら理解できておらず、ドアの前で「ちーちゃん開けて」と任せっきり。貴方がドアを開けるのよと促しても、こちらの顔色を伺いながら、恐る恐るドアを控えめに開けようとするだけ。こういった比喩表現で多々良君のリードを説明されると、彼に対する苛立ちがよーーくわかります(笑) そりゃイラッとくるわ。苛立ちのあまり、ドアを次々蹴破っていく千夏も怖すぎましたけどっ!

でもここで千夏は、多々良君に愛想尽かして見限ろうとするのではなく、彼に対する理解、共感を模索する。不得手なリードであろうと、「身勝手な私の踊りに合わせようと考えてくれた」と感謝の念を持ち、リードする難しさを相手の立場になって考える。性格不一致な凸凹コンビの2人が今、お互いの感性をすり合わせ、1つのカタチになろうとしている。

リーダーの立場になって物事を考えることができたのは、千夏自身がずっとリーダーを務めてきたからでしょう。仙石さんのパートナーである千鶴さんも同じような境遇で、長年培ってきたリーダーとしてのスキルと、仙石さんとの出会いによって開花したフォロー力が合わさって、日本最高のカップルになり得た。1つのポジションを突き詰めてきた人とは違う、リーダーからのコンバートを経験した人のみが持つ強みがありそうですね。

静岡グランプリの時のように多々良君のリードを全否定して、自分1人でリードしようとするのではなく、多々良君がリードしやすくするために千夏がリードするというところに、カップルとしての成長を感じました。2人の共同作業として、リードを補完し合う新しいスタイル。全部男任せのマグロ女なんかより、「誘い受け」でその気にさせられる方がいい女というもの(笑) 千夏ちゃんも大人の女になりましたね!

今回からダンスの試合が本格化し始め、技術的・専門的なアプローチも増えて素人には理解の及びにくい難しさがありましたが、このリードに対する考え方は、大変興味深くて面白かったです。リーダーの気持ちを身をもって理解できるパートナーの素晴らしさ。男にとって最高の女と呼べるのは、男の気持ちを熟知しているニューハーフみたいな!

★今週の緋山千夏★


気苦労続きの千夏ちゃん。多々良君よりも、千夏の方に感情移入しつつありますので、冒頭で述べたように、自分の中で「ボールルームへようこそ」の主人公は彼女になってきました。本当に彼女は、素晴らしい女房ですよ。高校1年生にして奥さんとしての風格が出てきているのは良いのか悪いのか

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