ボールルームへようこそ第10話「ボルテージ」雑感

女性を花として際立たせるため、自らは額縁となって存在感を消す徹底したパートナー本位の多々良君のリード。そういやエロゲの主人公たちも、濡れ場ではヒロインを引き立たせるために、自らの空気を消すこと徹していましたっけ。時には画面に股間しか映らせないほどに。彼らも密かにフラワー&フレームを実践していたのか…。

多々良&真子組のダンスに当てられた賀寿は気合が空回り。念願のパートナー雫と組み、ダイナミックなワルツを踊ることができて有頂天だったのに、途中で真子のことが頭を過ぎると、集中を切らして失敗。このままメンタルから自滅してしまう流れかと思いましたが、ダンス終了後に思いきり悔し涙を流しながら、雑念を振り払うように自らの頬をグーで殴って、すぐに気持ちを切り替えていたのがさすが。賀寿の熱さ、嫌いじゃないです。

それぞれのソロが終わると、タンゴ→スローフォックストロット→クイックステップ。スローフォックストロットでは、集中を取り戻した賀寿と、彼のポテンシャルを引き出す雫の見事なフォローで、観客全員の視線を釘付け。「スローはタンゴ以上に選手の基礎力そのものの差がくっきり出る」との仙石さんの評の通り、ここで地力の差を見せつけられてしまったよう。必死に食い下がる多々良&真子は、残されたクイックステップで逆転可能なのでしょうか?

クライマックスに差し掛かり展開は非常に熱いのですが、肝心のダンス作画で止め絵の多さがどうしても気になります…。タンゴの熱さ、スローフォックストロットの優雅さ、クイックステップの激しさ、そういったダンスの特性をしっかり感じさせてほしいのに、こうも静止画の連続ですと、その違いがほとんどわからなくて。恐らく次回で天平杯は終わるはずですから、11話こそはあっと驚くような作画を期待したいものです。跳んだり跳ねたりのクイックステップ、仙石さん直伝の格好良いルーティンは、きっちりとアクションで魅せてほしい!

動きの少ないダンスシーンよりも印象に残ったのが幼少期の赤城兄妹回想シーン。お兄ちゃんと一緒に社交ダンスがやりたくて、公園の外から1人でそっとお兄ちゃんを覗き見していた幼い真子ちゃんは卑怯なぐらいにきゃわたん!!! この下ぶくれの微妙にブサイクな顔が逆にカワイイ!!!(笑) 賀寿が嫌がって拒否して、寂しそうにとぼとぼと帰って行く真子ちゃんの後ろ姿見てると、可哀想すぎて胸が張り裂けそうになる!!!

こんなカワイイ妹が一緒にやりたがってんだから、つべこべ言わずにやれよ! とキレたくなるところですが、小学生男子の身分で女子と手を繋いで社交ダンスをやるのは、かなり抵抗があるのも確か。いつも外で活発に遊んでいる腕白な賀寿にとって、妹と一緒に仲良くダンスするなんて、耐えがたい屈辱であるのは想像に難くありません。友達に見られたら思いっきり冷やかされるでしょうし…。

しかし、生来の引っ込み思案で自分の意志を言葉にできない真子ちゃんも、このときばかりは食い下がる。ひらひらしたドレスに憧れ、お兄ちゃんと一緒に社交ダンスを始めたい思いを押さえきれない彼女は、もう一度お兄ちゃんにはっきりと“自分の口で”お願いするのでした

「お兄ちゃんと手つなんごしたいんだもん…」

これを断れるお兄ちゃんはこの世に1人としていない(断言)。どんな鬼畜の冷血漢であろうと、兄の立場でここで「NO」を口にできる奴は絶対にいないでしょっ!! あれだけ難色を示していた賀寿も、さすがにここは折れて渋々付き合ってやることになりましたが、社交ダンスの面白さは理解できなかったよう。「こんなんハマる奴アホだで!」と、そのまま社交ダンスからすっぱり足を洗ってしまいそうでしたが、「基礎から全部教えてくれ」と、負けず嫌いなお兄ちゃんの一面を見せたところで私はじ~~~んと来てしまいました。

やがて社交ダンス界で頭角を現し、世代を代表するリーダーとも称されるようになった賀寿。抜群の身体能力を持ち、どんなスポーツでも一流になれるセンスを持っている彼が、敢えてメジャースポーツではない社交ダンスを選んでくれたことに、大会審査員の大人は「ダンスを選んでくれてありがとう」と感謝を述べる。この一言で、自分は社交ダンスの道一本でやっていくことを決心したっていうのも男気じゃないですか。ますます賀寿が好きになっていくなぁ。

ちなみに、大変迂闊でお恥ずかしい話なのですが、幼年期の賀寿の声が富田美憂さんであることに今更気付きまして…。富田美憂さんといえば、アイカツスターズ!の主人公、虹野ゆめちゃん! 真子の声は諸星すみれさんですから、なんと赤城兄妹はアイカツ!新旧主人公の共演だったのですね! クソッ!! 何故私はこの事実にもっと早く気付かなかった!! バカバカバカ!!

★今週の花岡雫★


額縁が派手すぎて絵の魅力を殺してしまっていた賀寿。しかし、雫はその派手すぎる額縁にも負けないほど、絵としての存在感を放つことができる。悔しいけど、この2人はお似合いのカップルなのかもしれません。裏で賀寿の体重移動を支えていながら、それをまったく周囲に悟らせず、ロマンティックな表情を浮かべられる雫の凄み。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。