惡の華第1話雑感

衝撃作ですねぇ。実写撮影した映像をトレースしてアニメ化したロトスコープという手法で、実写とアニメの中間のような仕上がり。元の原作絵は別に劇画路線でもなく、よくある普通のアニメ絵ですので、余計この写実的な作画はギャップがあります。

声優(というか役者)の演技もアニメ特有の作られた発声とは違い、ドラマ仕立ての自然でリアルな語り口。英語の授業での辿々しい英文朗読はすっごいあるあるで笑えました。友達の山田君なんかも、「ああ、こういう奴クラスにいそう~!」と思えるほどリアルなのがいい味出していますね。

友人と下校、食卓の団欒、母親の小言、気怠い朝の登校。誰もが学生時代に体験したであろう、変わり映えしない日々の情景をたっぷり間を取りながら忠実に描写。これぞ本物の日常系アニメだと言えるでしょうか。

主人公の春日高男は、みんなが知らないような難しい本を読んでいることに優越感を抱き、周りと自分が違うことで自意識を高める典型的オタク系中学生。クラスのアイドル的存在である佐伯奈々子さんを恋い慕っていますが、どうも憧れが高じて神聖視しすぎているよう。女神扱いしていたり、友人が彼女を性的な目で見ることを許せなかったり。

そして、髙男は誰もいない教室で佐伯さんの体操着袋を目にしてしまう。イノセンスな愛情を捧げる彼女の、性的な対象物。そこで沸き上がる邪な感情、昏い性衝動。まだ何事も起きていないのに、この異様な背徳感の煽りは素晴らしい!

そんなざわつく心の早鐘を更に加速させるようなBGM(ED曲)にも背筋が凍りました。な、なんですかこの呪いのような歌はっ! 超怖いぃぃぃ!! これぞ本物の電波ソング!?

とにかく「次が見たい!!」と猛烈に続きが気になる終わり方でしたね。最初は見た目で戸惑って、「これはないわー」と拒否反応が出かかっていましたが、あっという間に物語に没頭。内容がどこまで原作に忠実なのか定かでありませんが、確かにこういう内容の話であれば原作のようなアニメ絵なんかより、写実的でリアルな描写の方が適している気がしますね。

でもそれは、原作にまったく思い入れがない私の意見。原作ファンは当然原作絵の方がいいに決まっていますし、勝手にこんな訳のわからない実写もどきに差し替えられたのでは憤懣やるかたないでしょう。私だって、もしちはやふるがこんな風にアニメ化されていたら、きっと今頃スーパーサイヤ人3になっていましたよ!! 1,2を飛び越えて一気に。

試みとしては大変面白いのですが、こういうのはオリジナルアニメでやるべき。原作アニメは、原作を壊しちゃいけない。

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なでしこやまとでは、総ての作品が浅生大和の主観に基づいてレビューされています。私個人の主義主張&趣味嗜好が評価に大きく関与し、客観性を無視した極めて独善的なレビューとなっております。そのことを充分踏まえた上でご覧いただけるよう、よろしくお願い致します。